イズミnews|11/12(株)マルヨシセンターと資本業務提携契約を締結
(株)イズミ(広島県広島市、山西泰明社長)は11月12日の取締役会で、(株)マルヨシセンターと資本業務提携契約を締結し、マルヨシセンターが実施する第三者割当をすべて引き受けると発表した。
マルヨシセンターは「ライフスタイル提案型スーパーマーケット」として四国3県(香川県、徳島県、愛媛県)を中心に小商圏型店舗を展開している。
一方、イズミは香川県、徳島県で広域集客型の大型店舗を主力としているので、競合関係の店舗は少なく、商圏は棲み分けできている。
マルヨシセンターは2019年2月期決算で営業収益401億1500万円で前年同期比マイナス1.0%、営業利益は2億2400万円で前年マイナス41.8%、経常利益は1億6800万円で、マイナス44.5%と減収減益の不振に陥っていた。今期に入って、2020年2月期の第2四半期は営業収益198億1000万円でマイナス2.3%、営業損失は5400万円、経常損失は7800万円と赤字計上している。
昨今の建築コスト上昇などを勘案し、新規出店中心の拡大戦略から収益性を重視した成長戦略にシフトをしたイズミにとって、マルヨシセンターは最適な提携相手であった。本契約によりお互いの経営資源を有効活用することで競争力を強化し、地域貢献に取り組む。
資本業務提携の内容は以下の通りだ。
①商品仕入の見直し(価格・取引先など)
②共同仕入によるスケールメリットの拡充
③生鮮品を含む地場商品ルートの構築及び原価低減
④カード戦略の共有化(ポイント政策・電子マネーの共通化)
⑤物流、販促、資材購入等における協力
⑥惣菜商品の共同開発、製造の協力
⑦人事交流(従業員への教育研修、各会議への参加など)⑧新規出店、店舗閉鎖に係る協力⑨生産性向上に資する経営管理・店舗管理の手法、情報システムへの協力
⑩その他これらに関連する事項、及び両者が 合意した事項の推進
【結城義晴の述懐】香川県に本拠を置くスーパーマーケットチェーンは、長らくトップがマルナカ、次がマルヨシセンターだった。そのマルナカがイオンの傘下に入って、マルヨシセンターはイズミと資本業務提携を結んだ。そのイズミはセブン&アイ・ホールディングスと業務提携しているから、マルヨシセンターもセブン&アイのグループということになる。「敵の敵は味方」のたとえで、考えてみれば当然の成り行きか。
そしてこれはアメリカのM&Aとまったく同じ軌道を歩んでいることになる。かの地では州ごとにローカルチェーンが、クローガー傘下か、あるいはアルバートソン&セーフウェイ傘下か、と色分けされていった。カリフォルニア州ではラルフがクローガー系、ボンズがセーフウェイ系。ネバダ州ではスミスがクローガー系、ボンズがセーフウェイ系という具合だ。香川県だけで見ると、日本も米国並みになってきた。
しかしそうなるとマルヨシセンターが加盟するオール日本スーパーマーケット協会の求心力は、相対的に弱くなる。それはシジシージャパンも同じだ。「知恵の共同仕入れ」やコーペラティブチェーン、ボランタリーチェーンといった日本特有の組織化が、資本の論理の下で脆弱になってくるのは、致し方ないのかもしれない。
■(株)マルヨシセンター
所在地/香川県高松市南新町4番地の6
代表者/佐竹克彦代表取締役社長
事業内容/小売事業(スーパーマーケット事業)
店舗数/35店舗
資本金/10億7800万円
設立年月日/1961年3月22日
■(株)イズミ
所在地/広島県広島市東区二葉の里三丁目3番1号
代表者/山西泰明代表取締役社長
事業内容/ショッピングセンター、ゼネラルマーチャンダイジングストア(GMS)、スーパーマーケット等の業態による衣料品、住居関連品、食料品等の販売およびインポート事業
店舗数/112店舗
資本金/196億1385万円
設立年月日/1961年10月27日