フジnews|「新生フジ経営方針」発表/2030年度1兆円
(株)フジ(愛媛県松山市、尾﨑英雄社長)は1月30日(火)、「新生フジ経営方針発表会」を行った。今年3月1日付でフジは、完全子会社のフジ・リテイリング(愛媛県松山市、山口晋社長)およびマックスバリュ西日本(広島県広島市、平尾健一社長)を吸収合併する。存続会社となる新生フジは2024年2月期で連結営業収益7959億円、514店舗の中四国最大のリージョナルスーパーマーケットチェーンとなる。
同日、発表された「2024年度~2026年度中期経営計画」のなかで、フジの山口晋副社長は計画の柱となる3つの基本戦略を説明した。第1に「企業文化の確立」として、現場重視、従業員満足、シナジーの創出を進めること。
基本戦略の第2点として挙げた「既存事業の改革」では営業面では店舗を起点とした無人店舗、移動スーパー、クイックコマース、ECの展開による新たなチャネルの創出。業務面ではデジタル化による「省人化」「省力化」「自動化」と組織のスリム化への取り組みを説明した。
基本戦略の第3点として「事業インフラの統合とシナジー創出」を掲げ、仕入れと調達とMDシステムの統合によるサプライチェーンの効率化とPB比率を現在9.3%から15%に拡大することを目標としている。
目標数値は2026年度営業収益8450億円、営業利益率2.0%、ROE4.1%、ROIC(投下資本利益率)3.7%。2030年度1兆円、営業利益率3.0%。非財務面では2030年度CO2排出量50%削減(2010年度比)、女性管理職比率30%を掲げている。
発表の中でイオン岡田元也執行役会長は「当面の競合はコンビニとEコマースになっている。スーパーマーケットは旧来のビジネスモデルは通用しない。一定の規模が必要。今回をきっかけに全従業員が活性化し、バイタリティを取り戻し、新しい考え方が生まれることで成長軌道に転換してほしい」と再編の意義を語った。
現在のフジは、2022年にイオン、フジ、マックスバリュ(MV)西日本の3社で2022年、フジとMV西日本の経営統合に先立って設立された共同持株会社。旧フジの小売り事業は、旧フジから分割したフジ・リテイリングが継承していた。新会社は広島県広島市に移転する。