9月外食産業統計|売上高3%増・客単価2.7%増・地震台風の中客数も0.2%増

一般社団法人日本フードサービス協会(JF)が、9月の外食産業市場動向調査を発表した。

フードサービスを業態別に集計し、新店を含めた全店を対象に調査する。9月末時点で、調査対象企業数は8月に比べて5社増えて199社。店舗数は30店増加の3万6602店。

ファーストフードは2万0086店で全体の55%、ファミリーレストランは9778店で26%を占める。合わせて8割を超える2業態の動向が、この調査の結果を左右する。


(日本フードサービス協会「データからみる外食産業」より:以下同じ)

9月は、北海道胆振東部地震や2度の台風上陸で、休業や営業短縮を余儀なくされた店舗も多かった。とくに、近畿や首都圏では交通機関の計画運休が実施されて、客数減少要因となった。気温は前年と変わらなかったが、雨天日数は東京都は5日、大阪府は10日も前年より多かった。

しかし、土日祝日の日数が昨年より2日多い曜日回りがプラス要因となり、全体の客数は前年に比べてわずかではあるが、0.2%増加した。キャンペーン効果や季節メニューの訴求で単価は2.7%上昇。その結果、売上高は3.0%の増収と、25カ月連続で前年を上回った。

業態別では、ファ―ストフード4.1%、ファミリーレストラン2.8%、ディナーレストラン2.7%の3業態が前年を超えた。

ファストフードは「和風」が6.1%増と好調。他業態とコラボした割引きキャンペーンが客数を伸ばした。これは、ガスト、はなまるうどん、吉野家が連携して開始した「3社合同定期券」効果だ。

3社合同定期券は300円で、8月27日から販売された。定期券を提示すると、ガストでは100円引き、吉野家では80円引き、はなまるうどんではうどん1杯ごとにてんぷら1品が無料となる。使用有効期限は9月10日から10月21日までで、その期間、何度でも、どの店に来店しても利用できる。ガストなら3回行けば元が取れる。集客効果を生むためのキャンペーンだ。


(吉野家公式サイトより)

ファミリーレストランの「焼き肉」は予約サイトでの割引きキャンペーンが奏功し、6.5%%増と22カ月連続して前年を上回っている。ディナーレストランは、台風による宴会のキャンセルや関西国際空港閉鎖での訪日外国人客の減少で苦戦したが、大型の新店が好調で売上げはプラスとなった。

一方、パブ・ビアホールは▲4.7%、居酒屋は▲2.5%、喫茶▲2.0%と3業態は前年を下回った。パブ・ビアホールは自然災害による野外イベントの中止、居酒屋は台風による交通機関の計画運休、いずれも天候要因が夜の営業に大きな打撃となった。喫茶も自然災害による客数減が響いた。

>外食市場動向2018年9月

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