経済産業省news|「コンビニ調査2018」/加盟店オーナー6割が人手不足と回答
経済産業省は3月26日(火)、(一般社団法人)日本フランチャイズチェーン協会(東京都港区、中山勇会長)加盟8社の加盟店オーナーへのアンケート調査「コンビニ調査2018」の調査結果を発表した。
加盟8社の内訳は、国分コミュニティストア、セイコーマート、セブン-イレブン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソン。
調査期間は2018年12月~2019年3月。対象者数約3万0757人に対して、回答者は1万1307(回答率37%)だった。調査は、加盟店オーナーが、経済産業省設置のWebページに直接回答を入力することによって行われた。
設問は「人手不足」「満足度」「契約更新」の3つ。
⑴「従業員の現在の状況はいかがですか?」という問いには、前回調査の22%に対して、61%が人手不足と回答している。その理由として「必要な一部の時間帯に勤務できる人が少ないから」「募集しても来てくれないから」が上位を占めた。ほかに、「コンビニ業務が複雑になっている」「業務が大変というイメージがある」「他店舗との人材の取り合い」という回答も見られた。
⑵「あなたは加盟したことに満足していますか?」という問いには、「大変満足している」が8%、「おおむね満足している」が45%と答えている。合計で53%が満足しているという結果になったが、前回調査の69%に比べると大きく後退している。「満足していない」は39%で、その理由として「想定よりも利益が少ない」「労働時間/拘束時間が想定していたより長すぎる」が上位を占めた。
本部に対する要望として、「店舗から本部への相談にきめ細かく対応してほしい」「店舗で人員が不足した際に支援をしてほしい」という声が挙がっている。
⑶「あなたは契約を更新したいですか?」という問いには、45%が「更新したい」と回答している。「更新したくない」は18%。その理由として、「小売業を営みたくない」「フランチャイズではなく自営したい」が上位を占めた。ほかに、「高齢/健康上の理由」「人手不足、人件費増など将来の不安」「休みがとれない、体力的に限界」「利益が得られない」「本部の圧力/ロイヤリティが高すぎる」「ロイヤリティを勝手に上げられた」という回答も見られた。
さらに不安要因として、「従業員(パート等を含む)を集められないこと」「従業員(パート等を含む)の費用が上がること」「24時間営業の継続/休みの取得が困難」「本部の圧力/契約打ち切り」「低利益/高いロイヤリティ/ドミナントによる売上減少」「クレーマー対応/予期できないバイトテロ」が挙がっている。
この「コンビニ調査2018」の調査結果から、店舗の経営環境が悪化している現状が明らかになった。世耕弘成経済産業相は26日の閣議後の記者会見で、「国民の生活インフラであるコンビニエンスストアの持続性の観点から、これ(調査結果)は問題だ」と述べた。4月にコンビニ大手4社のトップを集めて、加盟店の経営改善に向けて行動計画の策定を要請する考えだ。店舗の無人化など企業の自主的な取り組みを促していく。
コンビニでは人手不足や人件費上昇の負担が加盟店に集中していて、トップチェーンのセブン-イレブンでは、オーナー側から24時間営業の見直しを求める声が挙がっている。