3月外食統計|全体売上げは前年同月比105.9%も19年比では86.3%
一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、赤塚保正会長)が3月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は前月より2社減って221社、店舗数は506店増えて3万6422店舗。ファストフードは前月から136店増えて、2万1233店舗で全体の58.2%を占める。
3月は、桜開花の時期が訪れ、気温の上昇とともに人流が増加し、加えて22日以降は新型コロナまん延防止等重点措置が解除となった。外食店舗はコロナ規制の無い通常営業に戻ったが、人手不足、円安、国際流通の停滞等による原材料費の高騰などが、外食全体の回復に水を差している。外食の全体売上げは前年対比105.9%となったが、コロナ以前の2019年比ではまだ86.3%にとどまっている。
ファストフード業態全体の売上げは106.6%(19年比:102.6%、以下同)。
「洋風」は、原材料費高騰による価格改定もあり、売上げは前年比108.9%。「和風」は、深夜営業の再開で店内飲食が増え、売上げは107.9%。「麺類」は22日以降の客足回復が目立ち売上げ107.2%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、“まん防全面解除”の22日以降も来客数に大きな変化はないものの、割引キャンペーンが奏功し、売上げは100.2%。「その他」は、気温の上昇につれて「アイスクリーム」で持ち帰り需要が増加し、売上げ102.8%となった。
ファミリーレストラン業態の全体売上げは、前年比104.0%。2019年比では75.0%とコロナ以前への回復にはまだおよばない。「洋風」は、週末の家族連れ客が増え、割引キャンペーンが奏功し、売上げは102.4%。「和風」は、キャンペーンやメディア露出などにより、売上102.0%。19年比ではそれぞれ66.3%、79.0%と足踏み状態だ。
「中華」は、テイクアウト商品の好調に加え、酒類提供の再開で店内飲食も好調、売上は107.2%だったが、それでも19年比ではまだ94.4%。「焼き肉」は、深夜営業ができるようになり、食べ放題メニューの提供で集客力が向上した。売上は108.4%。2019年比では85.4%だった。
パブ・居酒屋業態は、上旬と中旬は営業時間や酒類販売の制限緩和、下旬はまん延防止全面解除で、売上げが回復した。「パブ・居酒屋」の全体売上げは104.3%となったが、店舗減少と営業制限の影響は続き、19年比ではわずか31.5%にとどまった。「パブ・ビアホール」の売上げは122.8%と前月同様に一見大きな伸びを見せたが、19年比では37.0%。「居酒屋」の売上げも96.2%、19年比29.0%に終わった。
ディナーレストラン業態は、年度末の歓送迎会や春休みシーズンの需要に一部復活の動きがみられ、またアルコール提供の制限緩和などにより、売上げは108.8%となったが、下旬までの営業時間短縮が響き、2019年の65.4%にとどまっている。
喫茶業態は、ショッピングセンターや住宅地の店舗は未だ変化が鈍いものの、22日以降はオフィス街店舗で客足が戻る傾向にあり、売上げは106.2%となった。