12月SC統計|既存SC売上高4.9%増/クリスマス・年末の外出需要増加

(一社)日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)が12月の「SC販売統計調査」を発表した。既存SC売上高は前年同月比4.9%増加で5カ月連続のプラスとなった。調査サンプル数は、484SC。

3年ぶりの行政による行動制限がないクリスマス、年末となったことから、外出需要が高まった。また前月に引き続き、全国旅行支援で県外からの観光客が増えたことで来館者数が増え、前年をクリアした。大都市や観光立地を中心にインバウンドも増加し、来館者数や売上げの増加に寄与した。

2019年比では5.0%の減少で、まだコロナ禍前を下回っているものの、マイナス幅は縮小している。

立地別に見ると、中心地域は総合で8.4%増、周辺地域は3.4%増。とくに中心地域・大都市は10.4%増で、中でも札幌市、名古屋市、大阪市、福岡市は県外や海外からの旅行客、コンサート等のイベント実施により来館者数が増え、2桁伸長となった。

中心地域・中都市は総合で5.3%増となった。テナントは6.4%増で、飲食を中心に前年よりも好調に推移した。一方、キーテナントは1.8%減と前年を下回った。中都市は大都市へのアクセスが良いため、行動制限がなく、外出需要が高まったことで、客足が大都市に流れたものと考えられる。

周辺地域は3.4%増で、飲食やクリスマス関連品が好調だったSCがあった一方で、巣ごもり需要が落ち着いたことにより、売上げが伸び悩んだSCもみられた。

地域別では、全地域プラス。とくに北海道が総合で20.3%増と、大幅に伸長した。県外からの旅行客や帰省客の来館者数が増えたことやインバウンド客の増加により、テナント、キーテナントともに他地域と比較して伸長率が最も高かった。

関東は、総合で4.7%増。今回の年末商戦で1日当たり売上高が過去最高となったSCもみられた。

近畿は、総合で5.2%増。中心地域が11.0%増だった一方で、周辺地域は3.0%増と地域によって差が開いた。

業種別では、クリスマスや忘年会などの外食需要の高まりにより、飲食が好調だった。旅行客や帰省客の来館も増え、ランチタイムだけではなくディナータイムにも賑わいが戻っているとの声が聞かれた。

また外出需要の高まりと気温低下により、アウターなどの冬物衣料が高稼働した。クリスマスギフト需要の高まりによって、靴や鞄などファッション雑貨も好調だった。旅行客や帰省客の来館により、土産品や和洋菓子が売上げを伸ばした。

 

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