1月外食統計|全体売上げは前年同月比115.3%・19年比104.2%
一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が1月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は236社、店舗数は3万6919店舗。ファストフードは2万1320店舗で全体の約58.0%を占める。
1月の全体売上高は前年比115.3%と16カ月連続で前年を超えた。19年比では104.2%。しかし、現在の売上げは原料高と光熱費の高騰等に起因する客単価上昇の結果と考えられ、外食企業の経営状況は変わらず厳しい。
ファストフード業態の全体売上高は110.2%、19年比では117.9%。「洋風」は、期間限定商品、季節商品などのフェアメニューが好評で、売上げ111.3%、19年対比では139.7%。「和風」は、引き続きテイクアウト・デリバリーの堅調で売上げ109.6%。「麺類」は、商業施設立地店舗の集客回復などで、売上げ117.4%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」の年始のテイクアウトが好調で、また、主力メニューの価格据え置きが奏功したところもあり、売上げ105.1%。「その他」は、「アイスクリーム」のキャンペーン商品のテイクアウトが好調で、売上げ105.6%となった。
ファミリーレストラン業態の全体売上げは、前年比119.6%、19年比では96.3%。行動制限のない正月となったことで年始の家族客が増え、「洋風」は売上げ117.7%、「和風」は売上げ123.2%。「中華」は、テイクアウト対応の強化により売上げが堅調に推移し118.2%。「焼き肉」は、郊外店舗が引き続き好調で、売上げ122.7%となった。
「パブ・居酒屋」業態は、酒類の提供制限があった昨年との対比では売上げは159.0%だが、19年比では売上げ58.1%と、12月の19年比(58.6%)とほぼ変わらず、回復に頭打ち感が出ている。コロナを気にしない個人客の来店は増えたが、企業・団体等の宴会自粛の傾向は続いている。
ディナーレストラン業態の売上げは134.0%となったが、法人宴会や夜間の集客は戻らず、19年比では85.0%となった。個人客の宴席は引き続き回復傾向にあり、全国旅行支援やインバウンドの増加で需要が回復した店舗も見られる。
喫茶業態は、営業時間制限の無い今年の売上げは前年比119.6%となったが、オフィス街はテレワーク等の定着で客足が戻らず、19年比では85.6%であった。