4月外食統計|全体売上げは前年同月比115.8%・19年比107.0%
一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が4月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は225社、店舗数は3万6651店舗。ファストフードは2万1194店舗で全体の57.8%を占める。4月の全体売上高は前年比115.8%、19年比でも107.0%となった。
マスク規制の緩和や、コロナ感染症の5類移行を見据えた動きにより、消費者の外食意欲が戻り、歓送迎会や春休みの需要が好調だった。インバウンドも回復傾向にある。だが、世界情勢の変化に伴う諸コストの上昇分を価格転嫁だけで補うことは難しく、経営的には厳しい状況が続いている。
ファストフード業態の全体売上げは112.9%、19年比では121.5%。価格改定に加え、好調な新商品やテイクアウト・デリバリーの定着、店内飲食の戻りで、「洋風」は売上げ111.2%、「和風」は117.0%。「麺類」も、商業施設立地店などの堅調により売上げ118.0%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、メディア露出や価格改定により、売上げ109.2%。「その他」は、「アイスクリーム」が復刻メニューやバラエティパックなどテイクアウト商品の好調で、売上げ112.8%となった。
ファミリーレストラン業態の全体売上げは118.0%、19年比では96.0%。春休みやGWの始まりで、回復傾向が続き、「洋風」は売上げ117.1%、「和風」は118.9%となった。「中華」は、新商品や各種キャンペーンなどの展開で、売上げ116.6%。「焼き肉」は、引き続き郊外立地店舗で家族客の支持があった。比較的低価格な業態では学生グループの歓送迎会が戻り、売上げは121.0%となった。
「パブ・居酒屋」業態は、中小規模の歓送迎会が戻り、早い時間帯ではコロナ前と同程度の集客もあり、売上げは131.9%となった。しかし、店舗数自体の減少は変わらず、遅い時間帯や二次会の需要は依然として弱い。19年比では売上げ64.8%となっている。
ディナーレストラン業態は、インバウンド客の回復、各地で再開されるイベントの急増、国内客の増加などで、売上げは122.4%、19年比では92.6%となった。
喫茶業態は、ビジネス街での回復ペースはゆるやかだが、各地でイベントや伝統行事が再開されて人流が増え、売上げは124.3%となった。19年比では94.3%となった。