6月百貨店統計｜売上高4412億円7.0%増･客数3.5％増/16カ月連続でプラス

(一社)日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が2023年6月の「全国百貨店売上概況」を発表した。調査対象は70社181店で、前月から増減なし。

6月の売上高は4412億3106万円で既存店前年同月比7.0%増、客数は入店客数3.5％増と、共に16カ月連続でプラスとなった。

上旬は、台風や大雨による影響も見られたが、中旬以降の気温上昇や外出機会の増加、旅行ニーズなどにより、衣料品や服飾雑貨、化粧品が好調に推移した。高付加価値商材と高伸するインバウンドも売上げを押し上げた。

コロナ前との比較(2019年比)では、売上高5.1％減、入店客数19.7％減だった。前月とほぼ同水準で推移しており、回復基調は続いている。

顧客別では、インバウンドが一段と高い伸びを見せ、320.3％増(280億円／15カ月連続／シェア6.4％)と、前月より71.2ポイント上昇し、コロナ禍の2020年2月以降で最高額となった。2019年比でも0.8％減と、ほぼコロナ前の水準に戻っている。

国内市場も1.8％増(16カ月連続／シェア93.6％)と好調に推移しており、2019年比は5.3％減となった。

地区別では、インバウンドと高額商材が好調な都市(10都市／10.1％増)が、9地区で前年実績をクリアし21カ月連続プラスとなった。一方で地方(10都市以外の7地区)は0.1％減と2カ月連続でマイナスとなった。

商品別では、主要5品目のうち4品目で前年実績を超えた。身のまわり品は10.4％増、雑貨は12.0％増と二桁の伸びとなった。ラグジュアリーブランドや高額商材は引き続き好調。化粧品はメイクアップやUV関連商品が伸びた。バッグ、靴、旅行用品のほか、傘などレイングッズも好調だった。

主力の衣料品は、夏物衣料を中心に動き、クリアランスも好調な滑り出しを見せている。食料品は、物産展などの食品催事や手土産需要から、菓子や惣菜が好調だった。

父の日商戦では、酒類や銘菓、カジュアルウエアが動いた。中元商戦前半は、各社、堅調に推移している。