5月外食統計|全店売上高6.0%増/人流の活発化で外食全体好調

(一社)日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が2024年5月の「外食産業市場動向調査」を発表した。調査企業数は229社、店舗数は3万7136店舗。ファストフードは2万1247店舗で全体の57.2%を占める。

5月の全体売上高は前年同月比106.3%、コロナ前の19年比でも115.0%と好調。店舗数は93.3%と微減しているものの、客数は103.7%、客単価は102.6%で全体では前年より増加となった。

前年より土曜日が1日少なかったものの、人流の活発化で外食全体が好調だった。新型コロナの感染対策規制が緩和され5類移行となってちょうど1年、円安傾向の継続により旺盛な訪日外客需要が売り上げを押し上げている一方、物価高騰の影響で国内消費者はより一層の節約志向に傾き、高品質で値頃感のある商品への支持が強まっている。

業態別では、ファーストフード業態が引き続き好調で、売上げ106.1%、19年比では127.7%。「洋風」は、連休明けの割引率の高い販促が奏功し、売上は104.0%。「和風」は、連休後に勢いが弱まるも、モバイルクーポンなどで挽回し、売上110.7%。「麺類」は、連休明けも外国人団体客の増加、気温が高めの日の冷た
い商品の売れ行き好調などで、売上は108.0%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、物価高騰に対応した低価格路線がとくに西日本地域で好調で、売上は102.1%。「その他」は、客単価が高めの新メニューが連休明け以降好調で、売上112.8%となった。

ファミリーレストラン業態は売上げ107.0%、19年比では105.5%。「洋風」は12日の母の日以降減速きも見られたが、人気アニメとのコラボやテレビ露出などが奏功し、107.6%。「和風」は10人程度の小規模宴会の需要が増え、107.7%。「中華」は販促キャンペーンによる好調が続き、108.3%。「焼き肉」は、値上げの影響で鈍っていた客足が戻り、高品質で値頃感のあるメニューが連休も近場で済ませる節約志向の消費者に好評で、102.8%となった。

パブ・居酒屋業態は、都心部の人流が戻りつつあり、ターミナル駅周辺での集客増が目立ち、宴会規模は小さめだが海外からの来客も見られ、売上105.5%だった。ただし19年比では71.7%と、コロナ前の水準にはまだ戻っていない。

ディナーレストラン業態は、法人利用の鈍い回復を近畿地方をはじめとしたインバウンド需要が補い、売上は103.3%となった。

喫茶業態は全体的な人流増が集客につながり、販促キャンペーンや季節メニューの強化と相まって、売上げ107.9%、19年比では114.5%となった。

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