1月外食統計|全店売上高7.7%増/新年会需要やインバウンド需要で堅調
(一社)日本フードサービス協会(東京都港区、久志本京子会長)が2025年1月度の「外食産業市場動向調査」を発表した。調査企業数は221社、店舗数は3万6172店舗。このうちファーストフードは2万0947店舗で、全体の57.9%を占める。
1月の外食全体の売上げは前年比107.7%、店舗数は100.4%、客数103.4%、客単価は104.1%。1月は年末年始の長期連休で活発な国内移動と、単月訪日外客数が過去最高を更新したインバウンド増によって外食需要は堅調だった。
断続的な価格改定による単価上昇で、外食全体の売上げは前年を超えているが、消費者の低価格志向が強まるなか、一部で客数が前年割れのところもあり、業種間・企業間で差が見られた。
ファーストフード業態の売上げは108.1%。「洋風」は年始需要や各種キャンペーンの好調で105.1%となった。「和風」は値引きキャンペーンが集客に貢献し、113.1%。「麺類」は年始のフェアメニューの好調などで118.1%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は101.3%。価格改定による単価上昇で売上を維持しているものの、一部で客数減が見られた。「その他」は109.7%で、「アイスクリーム」がアイスケーキなど新商品を発売しテイクアウト商品が好調、「カレー」の価格改定も売上げを押し上げた。
ファミリーレストラン業態の売上げは107.2%。全般的に年始の帰省需要が好調だった。半額クーポンなどのお得なキャンペーンの展開と、高単価メニューの人気がともに好調で、「洋風」は106.4%、「和風」は108.9%。「中華」は113.0%。「焼き肉」は102.0%と、年始の売れ行き好調と価格改定による客単価上昇などで前年を上回ったが、客数は伸び悩んだ。
居酒屋業態の売上げは104.7%。1月中旬に苦戦したところもあったが、年始や新年会需要は比較的堅調に推移し、立地によってはインバウンド需要などもあった。業態全体の客単価は前年を上回っているが、低価格指向に合わせた業態に転換する等、一部では客単価が前年を下回るところも見られた。
ディナーレストラン業態の売上げは105.0%。中華圏で「春節」が始まり、インバウンド需要が他業態よりも好調なところが多く、帰省などによる外食需要が堅調だった。
喫茶業態の売上げは109.8%。原料高による価格改定で客単価が上昇、好天に恵まれたことで客数も堅調に推移した。