13カ月ぶりに総合スーパー前年比プラスの逆説
3月のチェーンストア協会加盟企業、
既存店売上高は前年同月比1.7%増だった。
1兆0446億円。
プラスは、何と13カ月ぶり。
つまり1年と1カ月ぶり。
日本チェーンストア協会は57企業7947店舗。
その統計。
総合スーパーが約5割を占めており、
その傾向を見るのによい。
3月のこの時期は、
アベノミクス効果の広報効果が表れ、
東京株式市場で日経平均株価が一時、
1万1900円と高値をつけるなど、
景気回復ムードに転じた。
前月比でみると14.3%。
景況感は格段に高まっている。
チェーンストア協会の販売月報を商品別にみると、
食料品部門は、節句や花見関連の商品は動きがよかったものの、
キャベツ、白菜、ジャガイモなどの農産品の相場安が影響して、
6456億円と0.3%のマイナス。
一方、気温が高めだったことから春物衣料が好調で、
衣料品部門は7.1%増の1098億円。
住関品も2121億円と3.7%のプラスだった。
マスクや目薬、サングラス、空気清浄機などの商品が動いた。
理由は二つ。
第1は花粉、
第2は中国からのPM2.5飛来対策。
二番目が大きい。
消費と販売は面白い。
国民にとってマイナスの事象が、
売上げをつくる。
3月は新入生、新入社員の準備時期。
ビジネススーツ、カッターシャツ、ブラウス・シャツ、
スラックス、スカートなどの実務衣料が好調だった。
逆にアウターやフォーマルウェアは売れなかった。
衰退業態現象の中の総合スーパー。
13カ月ぶりの既存店前年比プラスは、
本来この業態のもつ圧倒的な便利さを、
ちょっとだけ垣間見させてくれた。
何しろアメリカでは、
ウォルマートスーパーセンターと、
スーパーターゲットは絶好調。
業態としての本来の機能を、
あらためて考えてみる必要は大いにある。
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