7月外食産業の全店売上げプラス1.9%、麺類8%・焼肉12%・高級レストラン8%増!!

フードサービスはフードリテイラーの水先案内人だ。小売業だけでなく食品製造業、食品卸売業を含めた産業全体の先導役を担う。

一般社団法人日本フードサービス協会の略称はJF。Japan Foodservice Associationの略。
そのJFから7月度の外食産業市場動向調査の集計結果が報告された。
新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、前年同月比を算出している。

全体概況
7月は西日本を中心に梅雨前線や台風の影響があったが、梅雨以降は関東地方を中心に好天に恵まれ、回復傾向となった。特にファミリーレストランが好調で、それに加えて業界全体の客単価も引き続き上昇し、全体の売上げはプラス1.9%となり、2カ月ぶりに前年を上回った。

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業態別概況
(ファストフード業態)
全体売上高はプラス0.1%と微増ながらプラスとなった。
洋風――いまだ安全安心問題があとをひき、売上げはマイナス3.7%と低迷。
和風――客数は厳しいものの新規の夏季メニューが好調でプラス3.4%。
麺類――スタミナ商品や冷たい商品が好調で客数、客単価共に伸び、プラス8.0%と健闘。
持ち帰り米飯・回転寿司――店舗数が2.0%減少したことが影響し、売上げもマイナス1.2%。
その他――テレビCMやキャンペーンが奏功してカレー・アイスクリームが売上げを伸ばした。

麺類のファストフードの8%の伸びは特筆ものだ。

(ファミリーレストラン業態)
全体売上高はプラス4.7%と、27カ月連続して前年を上回った。
業種別では「焼肉」が12.1%増と特に好調で、夏のスタミナ食のイメージが確立したようだ。他の業種もすべて売上はプラスを計上しており、唯一のマイナス要素は中華の客数だけで、こちらは3.3%の減となった。

焼肉ファミリーレストランの12%増も突出している。

(パブ・居酒屋業態)
「パブ・ビアホール」は関東地方の梅雨明けが早かったこと、またその後の好天、暑さにより売上げは伸びた。居酒屋は売上高、店舗数、客数、客単価すべてマイナスとなり苦戦している。

(ディナーレストラン業態)
商業施設立地の店が好調で、客単価もプラス4.2%と伸びていることから、売上げは8.2%増となった。

高級レストランは好調。これもチェックしておかねばならない。

(喫茶業態)
台風の影響で客数がマイナス0.3%となったが、夏季商品の積極的販売等で客単価が3.0%の伸びをみせ、売上げも2.7%プラスとなった。

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(表はすべて(一社)日本フードサービス協会・外食産業市場動向調査 平成27年7月度結果報告より)

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喫茶業態などは台風の影響を多少受けたものの、7月の外食産業は、梅雨明けの好天の影響もあって、好調であった。直接影響する休日日数は昨年と変わらなかったが、やはり7月は夏休みがある。子供向け、ファミリー向けのアイデアやサービスの向上などいろいろな工夫で客数、客単価を伸ばすことができる季節といえる。そしてそのチャンスは8月にも続いている。

昨日の総合スーパーの売上概況で惣菜が好調と報告した。暑さのため、調理を減らして出来合い調理品に頼った主婦が多かったと分析したが、外食産業にもそれは当てはまる。暑さのため、涼しいファミリーレストランで家計に負担のかからない程度に楽をしたい。子供の夏休みは特に主婦のそんな声が聞こえてくる。

そして麺類ファストフード、焼肉ファミリーレストラン、高級ディナーレストランの突出ぶりは、フードリテイラーや食品メーカーにとって、重要なトレンドである。まずはこれら好調な店を訪れ、食べてみることをお勧めしておこう。それがまた、水先案内人のフードサービス業にちょっぴり貢献することにもなる。

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