【5月総合スーパー・食品スーパー】既存店はそれぞれ▲1.3%、▲0.2%とふるわず

日本チェーンストア協会が6月21日に「チェーンストア販売統計 5月度速報」を発表している。調査対象企業は57社、9410店。昨年同月より53店、前月より6店増加。売場1㎡当りの売上高は4万4073円だった。

チェーンストア協会加盟企業の半数以上は総合スーパー業態を運営する企業が占めている。したがってこの統計から総合スーパーの販売動向を読み取る。

さて、総合スーパーの5月実績は以下。

総販売額 1兆1036億5676万円 既存店前年比マイナス1.3%
2月から3カ月連続でマイナスとなった。

1)食料品 7101億4651万円(構成比64.3%)プラス0.2%
  a)農産品 1036億1193万円(9.4%)マイナス1.3%
  b)畜産品 826億0102万円(7.5%)プラス1.5%
  c)水産品 641億2753万円(5.8%)マイナス1.3%
  d)惣菜    840億9742万円(7.6%)プラマイ0.3%
  e)その他食品 3757億0861万円(34%)プラス0.6%
2)衣料品 993億3265万円(9%)マイナス7.2%
  a)紳士衣料 191億3027万円(1.7%)マイナス7.3%
  b)婦人衣料 293億4753万円(2.7%)マイナス9.6%
  c)その他の衣料・洋品 508億5485万円(4.6%)マイナス5.6%
3)住関品 2245億6353万円(20.3%)マイナス3.5%
  a)日用雑貨品 912億7688万円(8.3%)マイナス3.2%
  b)医薬・化粧品 323億1907万円(2.9%)マイナス5.9%
  c)家具・インテリア 540億0266万円(4.9%)プラス2.3%
  d)家電製品 88億7087万円(0.8%)マイナス3.8%
  e)その他商品 380億9405万円(3.5%)マイナス9.3%
4)サービス 30億1300万円(0.3%)マイナス0.7%
5)その他 666億0107万円(6%)プラス0.1%

食料品では、農産品が相場安の影響で苦戦。5月の気温は平年値よりは高かったが、それよりさらに高温だった昨年ほどではなかったため、食品では涼味関連商材、衣料品や住関品では季節商品の動きが鈍かった。

ただし、「母の日」のギフトとして、エプロンや婦人用バッグなどはよく売れた。このあたりは、食品スーパーにはない、総合スーパーの強みではある。しかしそれでも婦人衣料は10%に近い大幅マイナスで全カテゴリーで昨対ワースト1。いかに売れ筋が気温に左右されているかがわかる。


同じく6月21日、「スーパーマーケット販売統計調査 5月実績速報版」をスーパーマーケット3団体が発表。日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会。今月の発表担当は日本スーパーマーケット協会の江口法生事務局長。

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集計企業数は270のパネル企業で、総店舗数は7694店。総売場面積は、1263万2240㎡。店舗平均月商は1億1102万円、さらに売場1㎡あたりの売上高は6.8万円であった。

そして、5月の販売実績。
総売上高 8929億3245万円、 
既存店前年同月比マイナス0.2%。
1年2カ月ぶりにわずかにマイナスに転じた。

1)食品合計 7962億5423万円(構成比89.2%)プラマイ0.0%
 ①生鮮3部門合計 3043億0751万円(34.1%)マイナス1.1%
  a)青果 1257億8823万円(14.1%)マイナス2.0%
  b)水産 789億6543万円(8.8%)マイナス1.3%
  c)畜産 995億5385万円(11.1%)プラス0.1%
 ②惣菜 862億4585万円(9.7%)プラス0.3%
 ③日配 1706億9925万円(19.1%)プラス0.9%
 ④一般食品 2350億0163万円(26.3%)プラス0.8%
2)非食品    7125008    マイナス0.9%
3)その他    2542867    マイナス5.5%

「5月の結果はわずかながらマイナス。ただしスーパーマーケットの主力である食品は14カ月連続増となった。ただし、生鮮3品が前年を割ってしまった。一方で日配、一般食品、加工食品は好調。これらは仕入力によってその価格が変動する。したがって、企業規模の数字に影響がでた。保有店舗数1~3店の企業は既存店前年比がマイナスだったものの、50店以上の企業はプラスだった。規模のメリットが明確に出た」

その保有店舗数別動向。
<1~3店舗> 全店売上高 77億3506万円 既存店前年同月比マイナス2.6%
<4~10店舗> 398億1543万円 マイナス1.1%
<11~25店舗> 1027億1927万円 マイナス0.1%
<26~50店舗> 1689億9909万円 マイナス1.5%
<51店舗以上> 5733億7988万円 プラス0.3%

「今年は土曜日が昨年に比べ、一回少なかった。これはスーパーマーケットにとっては大きなマイナス要因となる。また、天候をみても、昨年が非常に気温が高かったが、今年は気温が平年並み。したがって、昨年ほど涼味商材が伸びず、季節品の売り込みは苦戦した。昨年は相場高だった青果やサラダ商材も今年は相場安が維持され、売上げが確保できなかった」

「5月はゴールデンウィーク、こどもの日、母の日などイベントが続く。GW前半は気温が上昇し、条件としてはよかったものの、全体ではあまりいい結果とならなかった。母の日商戦ではカーネーションよりもスウィーツのの売れ行きが良かったという声が多く聞かれた。カーネーションが伸び悩んだのが今年の傾向」

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「厳しい状況の中で、スーパーマーケットは食品合計でなんとか前年クリアを達成できたのではないか」

 


 

最後に5月のまとめ。

すべての業態がマイナス。マイナス幅の少なかった順に並べると、
食品スーパーマーケット マイナス0.2%、
コンビニエンスストア マイナス0.3%、
総合スーパー マイナス1.3%。
そしてもっとも苦戦した百貨店がマイナス5.1%だった。

5月は主要小売4業態すべてが既存店昨対がマイナスという結果になった。それぞれの業態なりにそれぞれの要因は見られるが、総じて、昨年との比較で気温が低かったことが一番大きな敗因のようだ。

ああ、脆弱なお天気産業よ。夏目前&梅雨時の6月に期待を寄せよう。

 

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