【5月外食産業】ファストフード好調で4.6%増だが全体売上高は0.6%プラスと微増

一般社団法人日本フードサービス協会(JF)が5月の外食産業市場動向調査を発表した。この調査は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計したもの。食品小売業および食品産業の水先案内人ともいえる外食産業の5月の結果を見てみよう。

  5月の有効回収の店舗数及び事業社数は下記表のとおり。
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業態別概況

<ファストフード業態>
全体売上高は前年同月比プラス4.6%となり、好調。
洋風――売上高はプラス8.2%と好調に推移。キャンペーンメニューが売上げを伸ばした。
和風――客数が3.9%増と伸びて、売上高3.5%プラス。定食メニューに支えれらた。
麺類――季節メニューの投入が奏功し、売上高プラス3.9%。
持ち帰り米飯・回転寿司――客単価は2.3%プラスだったものの、店舗数が▲3.5%と削減され、売上高も▲3.1%。ファストフードの中で唯一マイナスとなった。
その他――売上高プラス2.9%。アイスクリームが客数を伸ばした。

<ファミリーレストラン業態>
全体売上高は▲2.0%となり、今年2度目の前年割れ。土曜日が少ない曜日回りの影響で集客伸びず。
洋風――売上高▲2.7%。低価格メニューは堅調だったが、週末のディナー時間帯が振るわず。
和風――連休中が売上げ低調で売上高▲1.5%。
中華――店舗数▲1.6%と削減されたことが影響し、売上高も▲3.9%。
焼き肉――連休中の家族需要を取り込み好調。売上高2.8%増となり、ファミリーレストラン業態で唯一のプラスを計上した。しかし、今年に入ってからの売上高を見てみると、1月(7.0%)、2月(8.5%)、3月(6.0%)、4月(7.2%)プラスとなっており、それに比べると2.8%増はちょっと物足りない。

<パブ・居酒屋業態>
パブ・ビアホール――売上高▲5.8%。6カ月ぶりに前年を下回った。連休谷間の平日が通常の休前日ほど集客しなかったこと、また金曜日が1日少ない曜日回りだったことが影響。
居酒屋――売上高は▲14.5%で引き続き不調が続いている。店舗数▲10.7%減少の影響が大きい。

<ディナーレストラン業態>
客単価は▲0.7%となったが、店舗数が3.9%増加となり、売上高は0.5%増。

<喫茶業態>
郊外型のショッピングセンター等商業施設立地が振るわず、売上高は▲0.8%。

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       (社)日本フードサービス協会・外食産業市場動向調査より)

5月の外食産業業態別の結果を売上高伸長率順にまとめると、
ファストフード4.6%、その他3.9%、ディナーレストラン0.5%、
喫茶▲0.8%、ファミリーレストラン▲2.0%、そしてパブ・居酒屋業態▲12.7%。

5月は、土曜日が1日少ない曜日回りがマイナスに大きく影響した業態も多かったが、ファストフードが連休を中心に好調で4.6%増と健闘したことにより、全体売上高は0.6%の増となった。

売上高、店舗数、客数、客単価すべてがプラスだったのは、ファストフードの麺類だけだった。今まですべてプラスだった絶対王者焼肉も、客単価がマイナスとなり、また売上高も2.8%増と伸び率が少し低くなってきている。外食産業の稼ぎ時であるゴールデンウイークにファミリーレストランがマイナスとなったことは、把握しておかねばならない異変だ。その中で焼肉の売上高だけが2.8%増。これも認識しておきたい。スーパーマーケットでも焼肉は底堅い需要を見込めるからだ。

ただし、連日報告している小売業は5月、すべての業態がマイナスという結果。それに比べると、外食産業は健闘したといえるだろうか。

 
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