【6月家計調査】勤労者世帯ボーナス月で収入大でも消費は控えめ
6月の二人以上世帯の家計調査速報が総務省統計局から発表された。
家計調査は、一定の統計上の抽出方法に基づいて選定された、全国約9000世帯を対象として、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを毎月調査しているものである。
その結果は、国の景気動向の把握、生活保護基準の検討、消費者物価指数の品目選定及びウエイト作成などの基礎資料として利用されているほか、地方公共団体、民間の会社、研究所あるいは労働組合などでも幅広く利用されている。
6月の結果は以下のとおり。
6月の二人以上の世帯の消費支出は26万1452円。
前年同月比は実質2.2%の減少。前月比(季節調整値)は実質1.1%の減少。そして名目は2.7%の減少となった。*名目とは、そのままの値で、「実質」とは、物価変動の影響を除いた値のことである。
また住居等を除く消費支出で見ると、1世帯当たり23万2557円。前年同月比は実質0.3%の減少、前月比(季節調整値)は実質0.4%の増加。名目は0.8%の減少となった。
増加した項目は「保健医療」と「その他」であとは減少。小売業に関わる項目の「食料」も3カ月ぶりの減少、「被服及び履物」も2カ月ぶりの減少となった。
6月の消費支出の実質増減率に寄与した主な中分類項目及び品目を見てみよう。
調理食品と飲料が増加項目に計上されている。調理食品の弁当は前年同月比13.7%プラス、飲料は7.3%のプラスとなった。月次統計でコンビニ弁当などが好調に売上げを伸ばしていると報告されているが、その結果が数字となって表れている。
一方、減少項目は以下のとおり。
教養娯楽サービスの外国パック旅行費は▲37.6%、、宿泊費▲23.0%。また交通の航空運賃は▲35.8%となり、大幅な減少。不安定な国際情勢の影響がはっきり見える。
では、食料費(6万9945円)の内訳はどうだったのだろうか。
消費支出額26万1452円のうち、食料の支出額は6万9945円。エンゲル係数を計算すると6月は26.75%。5月の26.63%を上回った。
【勤労者世帯】
勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり73万1099円。前年同月比実質0.2%の増加。名目では0.3%の減少となった。では消費支出はどうだったのか。以下のとおりである。
ボーナス月でもある6月は通常の月よりも収入が大幅に多かった勤労者世帯だが、消費支出はあまりかわらない。中身を見ても教養娯楽が特別多くなるわけでもなく、支出は控え気味。反対に働き盛りのこの世帯は子供の教育費に出費が嵩んでいる。収入がすぐには消費には結びつかない。貯蓄にまわし、堅実に生活している日本人の姿が垣間見える。
つまり巷間言われているアベノミクスは、いまだ、消費活性化には機能していないということだ。それをしっかりと把握して商売に取り組まねばならない。
>>>第1表 主要家計指標-二人以上の世帯
>>>第2表 1世帯当たり1か月間の収入と支出 -二人以上の世帯
*出典 家計調査結果(総務省統計局)
*上記の総務省の表は商人舎magazineのDATABASEにも掲載中。
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