【8月外食産業】リオ五輪開催と台風来襲が要因で全体で▲1.7%
一般社団法人日本フードサービス協会(JF)が8月の外食産業市場動向調査を発表した。この調査は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計したものである。食品産業の水先案内人ともいえる外食産業の8月の動向を見てみよう。
有効回収の事業社数は194社で店舗数は3万2990店。その中でファストフードは1万7086店、ファミリーレストランは9227店であり、この2業態で協会加盟店舗の約8割を占める。ファミリー層が多く利用するこの2業態の動向は外食産業全体に影響を及ぼす。
詳細は以下表のとおり。
業 態 |
事業社数
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店舗数
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全 体
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194
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3万2990
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ファーストフード
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54
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1万7086
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ファミリーレストラン
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48
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9227
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パブレストラン/居酒屋
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35
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2299
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ディナーレストラン
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28
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1032
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喫 茶
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13
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2165
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そ の 他
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16
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1181
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(社)日本フードサービス協会・外食産業市場動向調査より
全体概況
8月は、客足を鈍らせる要因が重なり、売上高▲1.7%となり、昨年11月以来9カ月ぶりに前年を下まわった。その主な要因とは下記の3つだ。
・山の日が祝日として加わったものの、土・日曜日が昨年よりそれぞれ1日少なかったこと。
・オリンピック開催の影響。
昨日報告したショッピングセンターでもマイナス要因の一つに挙げられている。
・立て続けに発生した台風による客足の低下。どの業態も台風に悩まされた。
業態別概況
<ファストフード業態>
全体売上高は前年同月比プラス0.6%となり微増。
洋風――売上高は3.6%増。キャンペーンの成功、季節商品が好調。客単価も3.6%増。
プラスとはなっているものの、前月(7月)はマクドナルドとポケモンGOのコラボにより売上高は14.9%と二ケタ増となっていた。8月はその勢いもどうやら落ち着いてしまったようだ。
和風――季節メニューが振るわず、売上高は▲4.7%。
麺類――売上高▲0.1%。客単価はわずかに0.5%のプラス。
持ち帰り米飯・回転寿司――店舗削減が影響し、売上高▲4.0%。客数、客単価もマイナスだった。
その他――アイスクリームのキャンペーン奏功し、売上高1.3%プラスとなった。
<ファミリーレストラン業態>
土、日の少ない曜日まわりが要因で全体売上高は▲3.8%。
洋風――売上高は▲4.2%。店舗数、客数、客単価もすべてマイナス。
和風――お盆の休み中は堅調に推移したものの、その他の時期は客足が伸びず、売上高▲3.3%。
中華――客単価は0.7%プラスとなったが、売上高は▲3.5%と伸びなかった。
焼肉――売上高▲3.5%。台風の影響などにより、2012年2月以来の前年割れ。
<パブ・居酒屋業態>
合計では、売上高▲14.8%となり不調が続いている。
パブ・ビアホール――山の日と休日に挟まれた金曜日の集客が伸びず、売上高▲1.2%。
居酒屋――売上高▲14.5%と二桁減。店舗整理が続き、客数も▲14.5%と落ち込みが激しい。
<ディナーレストラン業態>
お盆期間中は好調に推移したが、曜日まわりや台風の影響で売上高▲0.3%。
<喫茶業態>
平日が多い曜日まわりがプラスに作用し、売上高1.3%となった。他の業態は土・日が多いことがプラス要因となるが、喫茶業態だけは反対である。
8月の外食産業業態別の結果を、売上高伸長率順にまとめると以下のとおり。
プラスとなったのは、喫茶1.3%、ファストフード0.6%の2業態。
一方マイナスは、ディナーレストラン▲0.3%、ファミリーレストラン▲3.8%、
パブ・居酒屋業態▲11.5%となった。
8月はポケモンGOの効果も薄れ、台風に客足を奪われ、そして予想通り、リオデジャネイロ五輪開催により客数が落ちた。一番の打撃は夏休みのこの時期にファミリーレストランの焼肉がマイナスとなったことだ。2012年2月以来の前年割れは大事件と見えるが、外食産業はオリンピックとサッカーワールドカップの開催時にはこれまで必ず売上げダウンするという歴史をもつ。それでも全体が不調の月でも焼肉だけは売上げを伸ばし続けていた。その焼肉さえ8月の荒れた天気とオリンピックには勝てず外食産業を大きく落ち込ませた。
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