2月百貨店統計|バレンタインデー効果も前年うるう年の反動で▲1.7%、H2Oだけ好調
日本百貨店協会から2月の百貨店売上高概況が発表された。調査対象店舗は、前月とかわらず81社234店。
売上高は4336億円。前年同月比は既存店ベースで▲1.7%。12カ月連続でマイナスとなった。顧客別に見ると、シェア4.7%のインバウンドは、購買客数が17.2%、売上高も9.6%増加となった。今年の春節は1月27日~2月2日と1月下旬から始まったことで2月の売上げが心配されたが、結果的には好調に推移。一方、95.3%を占める国内顧客は▲2.2%で7カ月連続マイナスとなった。
主要10都市は対前年同月比▲1.5%。
プラスとなったのは、大阪2.7%、札幌1.8%、名古屋0.5%の3都市。
一方、仙台▲5.3%、神戸▲4.8%、広島▲4.6%、福岡▲3.4%、東京▲3.1%、横浜▲2.5%、京都▲1.3%と7都市はマイナス。
10都市以外の地域は、▲1.9%。
プラスとなったのは、唯一近畿の2.4%。あとの7地域は四国▲6.8%、中部▲5.2%、東北▲5.1%、中国▲3.6%、九州▲3.5%、関東▲1.0%、北海道▲0.2%となり、ずらりとマイナスが並ぶ。
プラスとなった大阪、札幌、名古屋、近畿は国内消費が堅調だった地域である。
主要5品目の2月の動向は以下のとおり。
主力の衣料品は、1241億6659万円、▲4.5%で、16カ月マイナスが続いている。詳細を見ても全カテゴリーが不調で、とくに婦人服が▲5.9%と落ち込んだ。
身のまわり品は、540億3397万円、▲1.7%。7カ月連続減少。
雑貨は、806億4763万円、3.7%増と、3カ月連続でプラス。その中で化粧品は12.9%の二桁増となり、23カ月連続で好調を維持している。一方、美術・宝飾・貴金属は12カ月連続のマイナスと不調が続き、高額品の売れ行きは減少している。
家庭用品は、189億2591万円の▲8.6%、14カ月連続減。詳細をみると家具▲10.4%、家電▲9.5%、その他家庭用品もマイナスだった。
食料品は、1299億6591万円で▲0.8%、12カ月連続マイナス。生鮮食品は▲3.1%で35カ月連続のマイナスと3年近くマイナスが続いている。バレンタイン商戦は好調だといいながらも、菓子は▲0.5%で昨年同月には及ばなかった。惣菜もマイナスで、その他の食料品だけはプラスとなった。
大手百貨店グループの2月の業績は下記のとおり(%はすべて対前年同月比)。
㈱三越伊勢丹ホールディングス
国内百貨店事業(三越伊勢丹計+国内グループ百貨店計)▲1.2%。
三越伊勢丹合計は±0.0%。
三越伊勢丹単体では、衣料品は▲1.2%。家庭用品は8.3%と好調。詳細は家電13.4%、家庭用品は10.0%と二桁増。雑貨、家具インテリアもプラスだったが、身の回り品だけは▲4.7とマイナスだった。食料品は3.6%と増収。バレンタインデーやプレミアムフライデー効果だという。
J.フロント リテイリング㈱ ▲1.2%
バレンタインデー商戦は好調で、化粧品、ラグジュアリーブランド、紳士服、冬物防寒雑貨が売上げを伸ばしたものの、前年がうるう年であったための営業日1日減、さらに休日数も1日少なかったことが影響し、マイナス計上となった。
㈱髙島屋および国内百貨店子会社17店舗 ▲1.4%
他の百貨店と同様に、マイナス要因は前年がうるう年であったための営業日1日減と土曜日の1日減としている。高島屋からは「前年の2月1日~28日と比較するとプラスだった」と報告されており、それを証明している。詳細を見ると、家庭用品▲12.4%、衣料品▲9.1%、食堂・喫茶▲4.3%、身のまわり品▲4.1%、食料品▲0.7%、食堂・喫茶▲4.3%。雑貨は13.1%増で、そのうち化粧品は25.8%と大幅にプラスとなった。
エイチ・ツー・オー リテイリング㈱ 百貨店は2.4%増。
詳細は阪急阪神百貨店の数字だが、雑貨7.3%、家庭用品7.0%、食料品2.7%、身の回り品1.9%、食料品2.7%と好調に推移。衣料品は▲0.6%、食堂・喫茶は▲1.3%と振るわなかった。
2月の大手百貨店は、エイチ・ツー・オー リテイリングはプラスだったが、三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、髙島屋はマイナスだった。協会の地域別の結果で、国内消費が堅調だった大阪、札幌、名古屋、近畿がプラスだったと報告があった。阪急阪神百貨店を所有するエイチ・ツー・オー リテイリングがプラスだったのは納得の結果だ。
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