10月外食産業統計|悪天候で14カ月ぶりに客数減少/売上高0.1%増

10月の「外食産業市場動向調査」が、一般社団法人日本フードサービス協会(JF)から報告された。この調査は、新規店舗も含めた全店を対象としていて、フードサービスの全業態を網羅している。

10月の回答事業者は183社で店舗数は3万5721店。9月に比べると事業社数は4社、店舗数は356減少している。店舗数はファストフードが1万9549店で全体の約55%。2番目はファミリーレストランで9708店の28%。合わせて83%を占めるこの2業態の動向は、外食産業に大きな影響を及ぼす。

[10月度有効回収の事業社数]

全体概況
売上高は0.1%とわずかにプラスを維持した。しかし2週続けて週末に上陸した台風の影響や、全体を通して雨が多かったこと、土曜日が1日少なかったことで、客数は14カ月ぶりに前年を下回った。表を見ると、東京都の雨天日数は前年より7日多く、大阪府は8日多い。気温も低めとなっている。また衆議院選挙期間中に予約が減った業態もあり、売上げに影響を及ぼした。一方で客単価は上昇。フェアメニューや高単価商品が好調で客数減をカバーした。

10月の外食産業の業態別の動向を、前年比売上高伸び率順に挙げると、ディナーレストラン3.3%、ファストフード1.6%、喫茶1.0%、その他が3.8%とプラス。

マイナスだったのは、ファミリーレストラン▲2.3%、パブ・ビアホール▲4.4%、居酒屋▲5.5%。ファミリーレストランは6月からプラスを維持していたが、5カ月ぶりに前年を下回った。

業態別概況
<ファストフード業態>
売上高1.6%増。客数0.3%、客単価1.3%で、それぞれ増加。店舗数も0.9%増で、すべて前年を上回っている。
カテゴリー別では、洋風4.0%、麺類3.9%、その他12.3%とプラス。洋風は新商品やキャンペーン効果によるもの。麺類は店舗数の増加、およびフェアが売上げを伸ばした。一方、和風は客数が▲7.9%と大幅に減少し、売上高も▲3.9%。持ち帰り米飯・回転寿司は店舗数が減り、売上高▲4.6%となった。

<ファミリーレストラン業態>
客単価は2.1%増加したが、客数が▲4.3%となり、売上高▲2.3%。店舗数は1.1%プラス。
洋風▲3.8%、和風▲4.1%、中華▲1.0%と伸び悩んだが、焼き肉は悪天候にもかかわらず6.2%増と好調だった。

<パブ・居酒屋業態>
パブ・ビアホールは、スポーツイベントが少なかったことも影響し、売上高▲4.4%。
居酒屋は売上高は▲5.5%。客単価は0.4%のプラスだったが、悪天候と店舗減が影響した。

<ディナーレストラン業態>
店舗数は売上高3.3%増。選挙期間中に宴会需要が減少し、売上げを落とした店舗もあった。鍋メニューなどが好調な店舗もあり、まちまちだった。

<喫茶業態>
客数が▲1.7%だっが、客単価2.8%プラス。店舗数も2.0%増えたことで、売上高は1.0%プラスとなった。温かい飲物や軽食が好調だった。

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