12月百貨店|師走は既存店0.6%減/2017年5.9兆円・雑貨牽引で0.1%増

日本百貨店協会から2017年通期の売上高速報と12月の売上高概況が発表された。

まず、2017年の通期の売上高を見てみよう。

2017年の総売上高は5兆9532億円、前年比プラス0.1%。2014年以来3年ぶりに前年をクリアした。インバウンドは46.3%増で2704億円。2015年の1943億円を超え、2年ぶりに過去最高を更新した。

10都市では、大阪6.6%、札幌3.5%、福岡2.5%、仙台0.6%、東京0.5%、横浜0.4%と6都市が前年を上回った。一方前年割れは、神戸▲9.4%、広島▲2.4%、名古屋▲0.4%、京都▲0.1%の4都市。

10都市以外の8地区はすべてマイナス。近畿▲8.5%、北海道▲6.0%、東北▲4.1%、中部▲2.5%、四国▲2.2%、中国▲1.6%、関東▲0.8%、九州▲0.7%という結果。

主要5品目の売上高を見ると、雑貨7.7%、身のまわり品0.1%と2品目が前年を上回った。とくに化粧品は17.1%と大幅な伸び率を示している。美術・宝飾・貴金属も3.6%増。インバウンド商品が売上げを伸ばしている。
一方、家庭用品▲5.6%、衣料品▲2.2%、食料品が▲1.0%が前年割れとなった。

次に12月の百貨店売上高概況

調査対象店舗80社226店は前月と変わらず。既存店売上高は6933億1489万円、前年同月比▲0.6%と、2カ月ぶりに前年同月を下回った。

12月は、高額消費やインバウンド効果、また歳末商戦も好調だった。しかし衣料品、食料品が伸び悩み、前年には届かなかった。

顧客別に見ると、96.0%を占める国内市場は▲1.9%。シェア4.0%のインバウンドは45.0%増で279億円。これは過去2番目に高い数字だ。国内消費の低調が12月に顕著に表れた。

10都市は0.8%増と5カ月連続でプラス。
大阪6.8%、札幌4.8%、福岡3.4%、東京0.9%、横浜0.5%の5都市がプラス。一方マイナスは、神戸▲26.8%、名古屋▲1.5%、仙台▲1.4%、広島▲1.3%、京都▲0.4%。

10都市以外の地域は▲3.7%で8カ月連続減少。
近畿▲17.3%、東北▲5.1%、北海道▲3.9%、九州▲2.3%、中国▲1.3%、中部▲1.2%、関東▲1.1%、四国▲1.0%と8都市すべてで前年同月を下回った。

12月の主要5品目は、雑貨が5.5%と13カ月連続で増収となった。とくに化粧品は13.9%と二桁増。33カ月プラスが続く。
ほかの4品目は前年に届かず。家庭用品▲6.0%、身のまわり品▲1.9%、食料品▲1.8%、衣料品▲1.2%。

食料品はクリスマスケーキやおせちは売上げを伸ばしたが、生鮮食品が不漁・不作で全体ではマイナス。また衣料品は、紳士服は防寒アイテムが好調だったが、婦人服と子ども服のマイナスをカバーすることはできなかった。

大手百貨店グループの12月の業績は下記の通り(%はすべて対前年同月比)。
(株)三越伊勢丹ホールディングスの国内百貨店事業は▲1.1%。
(株)J.フロント リテイリングの百貨店事業は+2.0%。
(株)高島屋は+2.1%。
(株)エイチ・ツー・オー リテイリングの百貨店は+3.0%

12月の大手百貨店グループでは、J.フロント リテイリング、高島屋、エイチ・ツー・オー リテイリングは前年を上回り、三越伊勢丹はわずかにマイナスとなった。

インバウンドと高額消費で2017年は好調と見られていた百貨店だが、最需要期の12月は振るわなかった。通期で見ても主要6都市だけが好調で、地方都市百貨店の低迷が続いている。

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