1月訪日外客数統計|250万人9%増/春節休暇移行の影響で5カ国は減

日本政府観光局(JNTO)から2018年1月の訪日外客数が発表された。訪日外客数は250万2000人で9.0%増。2017年1月の229万6000人を20万人以上上回り、1月として過去最高を記録した。

航空路線の新規就航や増便・クルーズ船が増加した。プロモーション効果もあった。そこで訪日外客数全体としては堅調に推移した。一方で、昨2017年には1月末だった春節休暇が2018年は2月となった。したがってアジア地域をはじめ、その影響を受けたカナダ、イギリスからの訪日客数も伸び悩んだ。この5カ国を除く13市場は、1月として過去最高となった。

国別の状況を見ておこう。
[東アジア]
韓国80万3800人(28.5%増)、中国63万2300人(0.3 %増)、台湾35万0500人(0.1%減)、香港16万0500人(13.5%減)。

韓国は単月として過去最高を記録。韓国市場で初めて単月で80万人を超えた。中国・台湾・香港は、2017年は1月末だった春節休暇が2月中旬となったことが影響し、中国の伸び率は0.3%と微増、台湾と香港は前年を下回った。

[東南アジア]
タイ8万2600人(26.7%増)、フィリピン3万1700人(20.1%増)、マレーシア3万1100人(9.9%減)、インドネシア2万9900人(32.7%増)、ベトナム2万7700人(28.1%増)、シンガポール2万1200人(3.8%増)、インド1万1300人(11.8%増)。

マレーシア以外の6カ国は、1月として過去最高を記録した。マレーシアは春節休暇の移行の影響で9.9%マイナスだった。しかし同じ影響を受けたベトナムは、旅行社との連携による集中販促効果や、冬の魅力をアピールしたプロモーションが成功し、28.1%と大幅な伸び率だった。

[豪州・北米]
アメリカ9万2000人(4.3%増)、オーストラリア6万9900人(14.4%増)、カナダ2万0500人(9.2%減)。

オーストラリアは、単月として過去最高、アメリカは1月として過去最高を記録した。唯一減少したカナダは、移民国家で中国人が多く、春節の祝いが浸透している。そのためアジア圏と同様に影響を受けて減少した。

[欧州]
フランス1万4600人(1.6%増)、ドイツ1万1100人(8.2%増増)、イタリア6400人(14.9%増)、ロシア5700人(31.9%増)、スペイン14.5%増の4200人(14.5%増)と5カ国が1月として過去最高を記録した。とくにロシアは1年前からのビザ緩和措置や極東ロシア発の航空路線の増便などによって、31.9%と大きく前年を上回った。

唯一減少となったのはイギリスで1万9900人(4.4 %減)。同国はカナダ同様にアジア圏の春節が浸透しているため訪日需要に影響が出た。イギリスのメイ首相が映像を通じて、世界の華人に春節の祝福メッセージを送ったほどだ。

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