2月コンビニ統計|低温降雪で客数減だがホット商品好調で既存店0.3%増

日本フランチャイズチェーン協会から、2月のコンビニエンスストア「統計調査報告」が発表された。

調査対象企業は7社。(株)セコマ、(株)セブン-イレブン・ジャパン、(株)ファミリーマート、(株)ポプラ、ミニストップ(株)、山崎製パン(株)デイリーヤマザキ事業統括本部、(株)ローソン。

2016年4月にローソンと事業統合契約を締結し(株)スリーエフが、「ローソン・スリーエフ」へのブランド転換を完了したことで、前月までの8社から減少して7社となった。

既存店ベースの2月の売上高は6940億4300万円で、前年同月比0.3%増と2カ月連続でプラスとなった。調理麺など温かい商品が売上げを伸ばし、カウンター商材や惣菜、サラダやカット野菜などが引き続き好調だった。

しかし、客数は11億1566万人で1.4%減。24カ月マイナスが続いている。2月は全国的に気温が低く、とくに北陸を中心に記録的な大雪が降った。協会ではこの天候要因により客数に影響が出たと報告しているが、2年続いていることを見ると雪のせいだけではなさそうだ。

店舗数は、前年同月より821店舗増加し、5万5395店(1.5%増)。

全店ベースの売上高は7949億0700万円(2.4%増)。客数は12億5631万人(0.7%増)。1店舗当たりの平均日販は51万2000円、客数は810人だった。

客単価は既存店622.1円(1.8%増)、全店632.7円(1.7%増)とともにプラス。客数のマイナスをカバーしている。

商品分野別売上高では、前年を上回ったのは、日配食品(1.1%)と加工食品(0.6%)。非食品(▲0.3%)とサービス(▲2.7%)は前年を下回った。

大手コンビニ3社の2月の概況を見てみよう(%は前年同月比)。

セブン‐イレブン・ジャパン
総店舗数2万0260店
既存店売上高 +0.4%
既存店客数 ▲0.4%
既存店客単価 +0.8%
全店売上高 +4.2%

ファミリーマート
総店舗数1万7232店
ファミマ1万4807店、サークルK・サンクス1506店、エリアフランチャイズ(沖縄・南九州・JR九州R)919店
[ファミマ]
既存店日販売上高 ▲2.3%
既存店客数 ▲3.1%
既存店客単価 +0.8%
全店売上高 +21.2%
[サークルKサンクス]
既存店日販売上高 ▲6.2%
既存店客数 ▲6.5%
既存店客単価 +0.3%
全店売上高 ▲71.7%

ローソン
総店舗数1万3992店
既存店売上高 ▲1.2%
既存店客数 ▲3.2%
既存店客単価 +2.1%
全店売上高 +6.7%

2月の既存店売上高は、セブン-イレブン+0.4%、ファミマは▲2.3%(サークルKサンクス▲6.2%)、ローソン▲1.2%。セブンがわずかながら前年を上回った。しかし、3社とも客数はマイナスで客単価はプラス。この傾向が続いている。

【結城義晴の述懐】伝統ある日本フランチャイズチェーン協会のコンビニエンスストア統計。とうとう7社になってしまった。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの「三占」状態である。あとはどこが残るのか。ポプラはローソンへ傾斜している。デイリーヤマザキは残念ながら一段とレベルが落ちる。ミニストップはイオンが小型店戦略と位置付けて、「まいばすけっと」などと連携を図るだろう。あるいは三菱商事が力業でローソンと統合を図って、トップに躍り出る画策をするか。セコマだけが北海道のリージョナルチェーンとして残るだろう。そうなると、やがて5社、あるいは4社による寡占状態となる。「当たるも八卦当たらぬも八卦」の話だが。しかし、全体としてみれば、既存店客数が減り続け、その分を、新店開発によって補っている。どう見ても全体では、飽和に向かっている。そうなると必然的に寡占から三占へと向かうのがこれまでのたくさんの業態の歴史的軌道である。

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