11月18日、カスミとヨークベニマルが茨城県で同日新店オープン
北関東を主戦場とし、激しく出店を競い合っているスーパーマーケット各社。このうちの有力企業2社が11月18日、ともに茨城県に新店をオープンする。
茨城県つくば市に本拠を置くカスミは、県西部の古河市に「フードマーケットカスミ古河丘里店」を開店。
茨城県内の店舗としては96店舗。古河市にはすでにフードマーケット古河店があり、同市内2店舗目となる。
カスミはマルチフォーマット戦略を採用する。標準型の「フードマーケット」に加え、最大級面積の「フードスクエア」、ディスカウント型の「FOOD OFFストッカー」がある。
古河丘里店のフォーマットはカスミ標準の「フードマーケット」。3業態を組み合わせ、使い分けることで、集中出店している茨城県内のドミナントエリアで、自社競合を回避しながらトータルシェア拡大を図る。
古河丘里店では、お客のレジ待ち時間を削減するために、商品登録後、お客自身が精算するセミセルフレジを導入した。
また、イートインコーナーを設置し、キッズスペースを併設するが、これらは、カスミ全体としての重点取り組みといえる。
カスミは、茨城県のほかに、千葉県(34店舗)、埼玉県(32店舗)、栃木県(8店舗)、群馬県(6店舗)、東京都(2店舗)の計178店舗(2016年10月21日現在)を展開。
2015年にマルエツ、マックスバリュ関東と設立したユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)は実質的にイオン・グループだが、その2017年2月期第2四半期の連結累計期間決算では、売上高は3416億8200万円(前年同四半期比3.7%増)、営業利益69億6400万円(前年同四半期比▲2.7%)、経常利益が69億5300万円(前年同四半期比▲4.5%)となっている。
ライフ・コーポレーションを抜き、今や日本最大のスーパーマーケットチェーンだ。
一方、福島県郡山市に本部を置くヨークベニマルは、茨城県北茨城市に「ヨークベニマル大津店」をオープンする。
同社の茨城県県内の店舗はこれで35店舗。北茨城市への出店は、中郷店(2005年開店)に次いで2店舗目となる。
北茨城市は、茨城県最北端に位置し、福島県いわき市と隣接する。ヨークベニマルにとっては、いわば南下路線の一環といえる。
ヨークベニマルは1973年にイトーヨーカ堂と業務提携して以来、同グループに属しているが、2006年9月にセブン&アイ・ホールディングスの子会社となった。2017年2月期第2四半期の連結累計期間の決算は、売上高2123億9400万円(前年同期比3.7%増)、営業利益70億2500万円(前年同期比13.7%増)で、好調を維持している。
茨城県のほか、本丸の福島県の74店舗を筆頭に、山形県(18店)、宮城県(56店)、栃木県(27店)の5県に計210店舗を展開している(2016年11月現在)。
ヨークベニマルもカスミと同様にドミナント戦略をとるが、物流コスト・販促コストの低減のみならず、 独自の商品集荷体制が可能となり、お客の利便性を高める狙いがある。
大津店では、車いすでも安心して利用できる、駐車場や通路幅、多目的トイレや点字ブロック、お客出入口へのスロープの設置など人に優しい店づくりに取り組み、「バリアフリー新法」の認定を受けた。
カスミ、ヨークベニマルともに独自の戦略で出店を進めているが、南東北から関東北部にかけての出店競争は、今後も止みそうもなく、競合エリアが生まれることも避けられない。
そうした環境下で、いかにコミュニティに溶け込み、地域のニーズにきめ細かく対応しながら、さらに個店の魅力をアピールできるかが成否のカギとなる。それはひいては企業イメージの向上にも繋がっていく。
<店舗概要>
名称:フードマーケットカスミ古河丘里店
所在地:茨城県古河市東牛谷1467-1営業時間:9時~24時
売場面積:1969㎡
駐車台数:115台
年商目標:14億1000万円
名称:ヨークベニマル大津店
所在地:茨城県北茨城市大津町北町3241-1
売場面積:2030㎡
駐車台数:145台
営業時間:9時~21時30分
検索ワード:カスミ ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス ヨークベニマル セブン&アイ・ホールディングス