JA全中news|「貨客混載制度」活用の農産物供給サービスを8/2から開始
全国農業協同組合中央会(東京都千代田区、中家徹会長、以下「JA全中」)、農林中央金庫(東京都千代田区、奥和登理事)、三菱地所(株)(東京都千代田区、吉田淳一社長)、一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会(伊藤滋理事長、以下「エコッツェリア協会」)の4者は、旅客用高速バスを利用する「貨客混載制度」を活用して、各地の農産物の継続的な消費・購買につなげるサービスを 8月2日(木)からスタートさせる。
「貨客混載制度」とは、貨物と旅客の輸送、運行を一緒に行う形態のこと。人流・物流サービスの持続可能性や地球温暖化対策の流れを受けて、2017年9月には一定の条件を満たした事業者に対して掲載量上限の規制緩和が図られることになった。そのため、この制度を活用する旅客自動車運送事業者が増えてきている。
このサービスは、従来生産量が少なく、配送ルートの確保がネックとなって県外へ出荷できていない希少野菜や伝統野菜、朝採れ野菜などの特色ある農産物を丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町地区)に向けて定期搬送することを目的にする。
具体的には、複数のバス会社と連携して、各地方から東京への旅客用高速バスのトランクスペースにその地方の新鮮な農産物を積み込み、東京都市部で乗客を降車させた後に、丸の内エリアに納品するというもの。
また、このサービスは、JA全中、農林中央金庫、三菱地所、エコッツェリア協会の4者が2017年3月から取り組んでいる「大丸有フードイノベーション」 の一環だ。これは、丸の内エリアにおいて、4者の経営資源やネットワークを活用し、日本全国の生産者やJAと、丸の内エリアの就業者や飲食店舗が連携して、「食」「農」の分野で新たな価値創造に繋がる仕組みを構築しようというプロジェクト。
丸の内エリアは約4300 の事業所・約28 万人の就業者を抱えている。このエリアの飲食店や企業の社員食堂、イベント会場などに納品される農産物を、従来とは異なる販路を介して販売し、消費することで、「生産者の所得向上・地域活性化」「運送事業者の収益性向上」「都市生活者のワーク&ライフスタイルの充実」などの課題解決を図ることを目指している。
このサービスで期待される効果は5つ。
⑴農業従事者にとっては、販売機会が拡大することで出荷数量が増え、付加価値が上がることで販売単価も上がり、所得向上が図れる。
⑵各産地にとっては、都市との連携によって、特産品のブランディングや都市と農村の交流が図れる。
⑶運送事業者にとっては、遊休スペースを活用したバス事業の収益性を向上させることができ、地元地域への貢献もできる。
⑷丸の内エリアの就業者にとっては、旬の新鮮な食材を購買することができ、食や農業に関する情報も得られる。
⑸丸の内エリアにとっては、食・農の新しい価値を創造する街として差別化ができ、食・農を切り口としたエリアの活性化が図れる。
■サービス概要
主催/JA全中、農林中金、三菱地所、エコッツェリア協会
協力/(株)アップクオリティ
サービス開始日/2018年8月2日(木)
納品量/最大350kg未満/便