サムズクラブnews|「スキャン&ゴー」改良し商品スキャンの時短図る

ウォルマートのメンバーシップホールセールクラブ業態の「サムズクラブ」は、ダラス市内の実験店舗「Sam’s Club Now(サムズクラブ・ナウ)」で使用していたキャッシャーレス・アプリ「Sam’s Club Now」を改良して、さらに顧客の利便性を図る。

サムズクラブ・ナウ(ダラス)

「サムズクラブ・ナウ」は、ウォルマートのスーパーセンターで展開されていた「スキャン&ゴー」をベースに構築されたもので、買いたい商品の特徴やその商品が置いてある場所を教えてくれるなど、さまざまな機能が盛り込まれている。

顧客は入店時にこの「サムズクラブ・ナウ」のアプリを起動させ、アプリ上で商品のバーコードをスキャンしながら買物をする。

退店時には、スマホに表示されるQRコードをメンバー・ホスト(従業員)が持つ決済端末にかざす。そして、アプリに紐づけした決済方法で精算する。

レジの行列に並ぶ必要がないので、これだけでも便利だ。そのうえバーコードを探す手間と時間がかかるがそれが軽減される。重い商品の場合はとくに困難だし、ラベルが剥がれてしまっていることもある。また、スキャン自体に数秒かかるため、まとめ買いするときは累積する時間がバカにならない。

今回導入される新しいスキャン方法では、バーコードの代わりにコンピュータービジョンと機械学習を利用して商品を識別する。これでスキャンに要する時間が短縮されることになりそうだ。

サムズクラブはビデオデモの中で、飲料水のボトルをスキャンするのに、旧システムでは9.3秒かかるのに対して新システムでは3.4秒しかかからないことを示している。

また、これまでアルコール飲料は人のいるレジで買わなければならなかったが、近いうちにアプリでの利用ができるようになる。

ジョン・ファーナーCEOは、ダラスの実験店では、精算はすべて「サムズクラブ・ナウ」だけで行われており、顧客は出口でスマホのレシートの確認をするだけで退店できると述べている。

【結城義晴の述懐】ウォルマートのスーパーセンターなどでは「スキャン&ゴー」を中止しているが、サムズは会員制でもあるし、購買金額も高いので、有効なシステムとなる。なおかつ、サムズは何といってもコストコとの差別化が必須となる。その意味でも「スキャン&ゴー」はサムズの切り札的な顧客サービス手段となるだろう。

関連カテゴリー

海外 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧