アマゾンnews|グロサリー買物&配達に「ギグワーカー」を起用

COVID-19パンデミックの影響で、アマゾン・コム(ワシントン州シアトル市、ジェフ・ベゾスCEO)でもグロサリーのオンライン注文が急増しており、ホールフーズ・マーケットの社員だけでは捌ききれず、遅配が生じていた。

そこで「ショップ・アンド・デリバー(Shop and Deliver)」と呼ばれるギグワーカー(Gig Worker)によるショッパーを実験的に採用している。ギグワーカーとは、インターネット上のプラットフォームサービスを介して単発の仕事(ギグワーク)を請け負う労働者のこと。多くは企業に属さないフリーランスや個人事業主だ。

ショップ・アンド・デリバーはアマゾンから配達業務を請け負う「アマゾン・フレックス(Amazon Flex)」と同じような契約で、時給は約15ドル。アマゾン・フレックスと異なるのは、配達だけではなくショッピングも請け負う点だ。

募集サイトでは、買物の要領を詳細に説明し、安全に効率よく買物ができるように案内している。配達人ではなくショッパーを使うことで、注文のピーク時のボトルネックを解消できると同時に、人件費の節約にもなる。アマゾンの従業員の最低時給は15ドルで、福利厚生費や会社が負担する税金を加えると、20ドル以上になる。

グロサリーの店舗フルフィルメントは、eコマースの利益率に大きく影響するため、各社とも効率アップに注力している。COVID-19パンデミック以降は特にグロサリー・ピックアップとその配達が急増したため、ウォルマートやターゲットなどでも、店内のショッパーの作業効率の改善を図っている。

アマゾンはダークストアに加えて、ホールフーズ・マーケット、そして最近一般公開されたスーパーマーケットの「アマゾン・フレッシュ」でもグロサリー・ピックアップを行っているため、よりフレキシブルなギグワーカーの手を借りることによって従業員の負担を減らしたいと考えているようだ。

ただ、ギグワーカーを社員とみなす州が増えてきており、カリフォルニア州議会もそれを認める法律を昨年可決した。今年に入ってウーバーとリフトに対してその法律を遵守するよう、上級裁判所による命令が出されたが、未だ控訴裁判所で係争中である。業界側は対抗措置として、11月の選挙にギグワーカーのドライバーを契約社員としてみなす条例案22(住民投票)を出している。もしこの提案が通れば事業が継続されるが、否決されれば同州からの撤退もあり得る。自分の好きな時間に働ける契約社員の待遇は、雇用者だけでなく働く側にもそれなりのメリットはある。

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