アマゾンnews|第4Q営業収益1374億ドル9%増/通期4698億ドル22%増

アマゾン・コム(ワシントン州シアトル市、アンディ・ジャシーCEO)は、2021年12月31日で終わった2021年12月期の第4四半期決算と通期決算を発表した。

第4四半期の売上高は714億1600万ドル(1ドル100円換算で7兆1416億円)で前年同期比0.5%の増加、AWSなどのサービスを含む営業収益は1374億1200万ドル(13兆7412億円)で9.4%増加した。営業利益は34億6000万ドル(3460億円)で49.7%減少したが、純利益は143億2300万ドル(1兆4323億円)で98.3%増だった。

通期では、商品売上高が2417億8700万ドル(24兆1787億円)で12.0%増、サービス売上高が2280億3500万ドル(22兆8035億円)で34.0%増、したがって営業収益は4698億2200万ドル(46兆9822億円)の21.7%増となった。営業利益は248億7900万ドル(2兆4879億円)で8.6%増、純利益が333億6400万ドル(3兆3364億円)の56.4%増で、今期は増収増益に終わった。昨年度56兆円を売り上げた世界1位のウォルマートに迫ってきている。

年間の部門別実績は、北米部門の売上高が2798億3300万ドルで18.4%増、その北米の営業利益が72億7100万ドルで16.0%減。国際部門は売上高1277億8700万ドルで22.4%増だったが、営業損失9億2400万ドルを計上した。クラウドコンピューティング部門であるAmazon Web Services(AWS)は、売上高が622億0200万ドルで37.1%増、営業利益が185億3200万ドルで37.0%増加した。部門別売上構成比は、北米部門が59.6%、国際部門が27.2%、AWSが13.2%となっている。

またチャネル別に見ると、オンラインストアの売上高が2220億7500万ドルで前年比で1%減少。リアルストア(実店舗)の売上高は170億7500万ドルで17%増加。サードパーティ(第三者販売)向けサービスの売上高は1033億6600万ドルで11%増。サブスクリプションサービスが売上高317億6800万ドルは15%増。広告サービスの売上高は311億6000万ドルで32%増。そしてAWSが売上高622億0200万ドルで40%増。チャネル別の構成比は、オンラインが47.4%で約半分を占める。リアルストアが3.6%、サードパーティサービスが22.0%、サブスクサービスが6.8%、広告サービスが6.6%、AWSが13.2%、その他が0.4%となっている。

前年のコロナ禍で大幅伸長したオンラインのみ、売上げが伸びなかったが、それ以外ではすべて二桁増だ。とくに収益性の高いAWSの伸びが目立つ。また、ホールフーズ・マーケットやアマゾン・フレッシュ、アマゾン・ゴーなどのリアル店舗も売上構成としてはまだまだ低いものの、順調に売上げを伸ばしている。2021年11月には「Just Walk Out」技術を導入したスターバックスの新店をオープンし、2022年下半期にはアパレルのリアル店舗「Amazon Style」の開店を予定するなど新しい試みは続く。

アマゾンは近年、プライム会員向けに回数無制限の無料配送サービスやデジタルエンターテインメントコンテンツに多額の投資をしている。コロナ禍も追い風となって、2021年には全世界でプライム会員数が2億人を突破した。米国では、無料同日配送の利用可能エリアを48から90以上の大都市圏に拡大させた。またプライム会員のみ送料無料で購入できる商品を従来の1.5倍に増やしたことで、メンバーはPrime Dayのセールで数十億ドルを節約した。Prime Videoでは2018年と比較して、アマゾン・オリジナルのコンテンツを3倍に拡大している。他にも処方箋調剤のAmazon Pharmacyでは無料のスピード配送、Amazon Music、Prime Reading、Prime Gamingなど新しいプログラムを提供するなど、プライム会員を対象とした特典を継続的に拡大させている。

ただし、このような特典の拡大や人件費、輸送費などのコスト上昇の影響によって、米国のプライム会員費を2月18日付け(既存会員は3月25日以降の更新から適用)で月額12ドル99セントから14ドル99セントへ、年額では119ドルから139ドルに引き上げることになっている。2018年以来、4年ぶりの値上げとなる。

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