クローガーnews|アルバートソンと合併で「値下げ」強調もコロラド州から提訴

クローガー(オハイオ州シンシナティ、ロドニー・マクマレンCEO)は2月13日(火)、アルバートソンとの合併後についての戦略を表明した。

マクマレンCEOは「私たちがアメリカで最高のスーパーマーケットになるための方法は、価格を一貫して下げ、よりたくさんの商品を品揃えすることで、大きな価値を提供していくことだと信じています。より多くの顧客が私たちの店で買物をするようになることで、さらなる低価格、より良いショッピング体験、そしてより高い給料に対して投資ができるようになります。私たちは長年、このビジネスモデルで成功を収めてきたので、これがうまくいくことを知っています。この合併が顧客にもたらすのは『低価格』『より新鮮な商品』そして『手頃なたくさんの選択肢』なのです」と述べている。

クローガーは2003年以降、価格の引き下げに対して投資をし続けてきた結果、これまで顧客に50億ドルの節約をもたらしてきたという。どのように投資をしてきたか、クローガーは以下の4項目を明示している。

・過去の合併案件でも一貫して価格を下げてきた
2014年のハリスティーターの合併後には価格引き下げに1億2500万ドル以上、2016年のラウンディーズ合併後には1億ドルを投資した。さらに顧客エクスペリエンスを向上させるために合併後の3年間で、ハリスティーターの店舗には1店当たり250万ドル、ラウンディーズには240万ドルの資本を投資している。

・手頃な価格を提供するために利益を削減
クローガーは過去20年間、継続的に価格引き下げに取り組んできた結果、粗利益率は5%減少させている。一方で、アマゾン、アホールド・デレーズ、ウォルマート、ダラー・ゼネラルなどの競合他社は同期間中にそれぞれ粗利益率を22%、4%、1%、2%増加させている。

・合併後の価格引き下げと顧客体験の向上への一貫した取り組み
クローガーはアルバートソンとの合併後の価格引き下げのため、取引完了翌日から5億ドルを投資する。さらに顧客サービスを向上させるため、合併後のアルバートソンの店舗改善に13億ドルを投資する予定だ。

・合併後の競争力強化によって、顧客と従業員70万人のサポートに投資
この合併は価格を引き下げ、よりシームレスでパーソナライズされた体験を生み出し、新鮮かつ手頃な価格の食品の品揃えを拡大することによって、より多くの顧客を引きつけ、維持することが可能になる。これにより、クローガーは収益が増加し、賃金や福利厚生だけでなく、価格設定や店舗改装への追加投資も促進されると見込んでいる。

両者の合併計画は2022年10月に発表された。2023年9月には合併を円滑に進めるため、一部店舗をC&Sホールセール・グローサーズLLCに売却。2023年10月にはカリフォルニア州が合併阻止のための提訴を準備していると報道されたり、2024年1月にワシントン州が実際に訴訟を起こしている。連邦取引委員会からの最終承認は下りないことから、2024年1月には合併終了期日の延期を表明している。

さらにクローガーがこの声明を発表した翌日の2月14日(水)、コロラド州がクローガー・アルバートソン合併の差し止めを求めて訴訟を起こした。コロラド州のフィル・ワイザー司法長官は、この取引案は「店舗の閉鎖、価格高騰、雇用の減少、顧客サービスの悪化、サプライチェーンの回復力の低下につながる」と述べている。

この買収劇はもう少し続きそうだ。

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