オランダ最大手アホールドとベルギーのデレーズが経営統合へ
グローバル規模のスーパーマーケットのM&Aが加速する。
オランダ最大手のアホールドとベルギーのデレーズ。12日に経営統合の協議を始めたと発表した。
アホールドは2014年12月期の売上高327億7400万ユーロ。
一方のデレーズは283億7800万ユーロ。
経営統合が実現すれば約615億ユーロ(691億ドル、約8兆3000億円)のグローバル小売業が誕生する。
Fortune誌の「GROBAL500」から小売業だけを抜粋すると、18位がアホールドで25位がデレーズだが、単純合算すると、一気にイオンを抜いて小売業11番目に躍り出る。
またアホールドUSAは東海岸のジャイアントフードやストップ&ショップを傘下に持つ。
デレーズはフードライオンを買収して展開し、米国市場における売上げ比率は両社ともに6割を占める。
全米小売業協会が発表する「TOP100 RETAILERS 2014」のランキングは、全米売上高で順位付けするが、アホールドUSAが261億1800万ドルで17位、デレーズアメリカが188億1700万ドルで23位。その合計は449億3500万ドルとなり、Amazon439億ドルを抜いて全米9位の小売業になる。
またスーパーマーケットだけで見ると、1位クローガー935億ドル、2位セーフウェイ&アルバートソン陣営の469億ドルに次いで第3位。
米国でも、グローバルでも、巨大なスーパーマーケット企業が生まれることになる。経営統合によって、購買力と価格競争力を高め、物流などのオペレーション効果も見込まれる。
ただし両社ともに合併交渉に入ったことは認めるが「協議が将来の統合に至るとは限らない」とコメント発表している。なぜなら過去にも提携を模索したが実現しなかった経緯があるから。しかし今回はデレーズ創業家が前向きな姿勢になっていると言われ、実現する可能性は高い。
アメリカ市場では、1位のクローガーは合併を繰り返して、全米1位のスーパーマーケット・チェーンになった。
そして実にいい経営をして、いま、45四半期連続既存店売上高増収の金字塔を打ち立てる。
2位のセーフウェイも合併と統合の挙句、巨大企業に成長した。ただし昨年、サーベラス投資会社に買収され、同じサーベラス傘下のアルバートソンと2015年1月に合併させられたばかり。こちらは合併が裏目に出た。
ホールフーズ・マーケットも同様に、ナチュラル・オーガニック・スーパーマーケットを吸収合併し、いまや1兆円を超える企業になった。スプラウツ・ファーマーズマーケットも、サンフラワー・ファーマーズマーケット、ヘンリーズ・ファーマーズマーケットなどを統合して規模を確保し、株式公開して今、絶好調。
競争の激しいアメリカでは、規模の拡大を求めるM&Aが重要な経営戦略になるが、
つまりはいい経営統合と悪い経営統合があるということ。
これを間違ってはいけないし、アホールドとデレーズが果たして、「いい統合」か「悪い統合」かに、注目が集まっている。
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