2015年Back-to-School商戦「昨年より加速する」と全米小売業協会調査予測

アメリカの多くの子供たちは6月中旬からすでに夏休みに突入している。日本の子供たちにとっては、何ともうらやましい話だろう。

学校が夏休みに突入した、ということはつまり店頭では「Back-to-School商戦」が始まっていることを意味する。夏休みとBack-to-School商戦期間は同期している。

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その夏休みは一般的に「インディペンデンスデー(独立記念日)の7月4日頃から始まり、レイバーデー(労働者の日)の9月第1月曜日で終わる」と言われる。

アメリカの学校は夏休み明けの9月に新年度が開始する。したがって「Back-to-School商戦」というのは、次の学年に進級する準備のためのショッピング。それはえんぴつ、ノート、ファイルなどの文具類から、勉強机、さらには高校生や大学生ならば、パソコンや一人暮らし用品、新しい環境でのファッションまでもがショッピングリストに入ってくる。夏から秋にかけての一大商戦である。

全米小売業協会(NRF)の調査によると、調査対象の4分の1の家庭では、夏休みに突入したらすぐに新学年の準備、つまりBack-to-Schoolショッピングを始めるということがわかった。また、今年のBack-to-School準備にかける費用を「昨年より増やす」と回答した人(6-17才の保護者)が28.9%、「昨年と同じくらい」が56.7%と、ほとんどの家庭が昨年より減らすことはないようだ(図1)。

(図1) Back-to-Schoolショッピングの支出プラン
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2015年上半期、アメリカの小売業界は不調だった。アメリカ国勢調査局(Census Bureau)の統計によると、小売業界の売上高前年昨対は落ち込んだ(図2)。1993年から2015年の平均昨対が4.53%のところ、1月が3.2%、2月には3.6%と微増したものの、3月は一気に落ち込み1.9%。4月はさらに下がり1.7%、5月には1.5%にまで落ちた。6月は少し持ち直し2.7%となる予測だが、ずっと平均を下回っている。堅調に推移した2014年と比較すると、明らかにダウントレンドである。

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しかしそんなダウントレンドの中、Back-to-Schoolショッピングの支出予定額の増加は、米国小売業業界にとって、明るいニュースだ。下半期にはハロウィン、サンクスギビング、クリスマスといった三大プロモーションが控えている。6月下旬から9月上旬まで、4カ月をまたいで2カ月半におよぶBack-to-School商戦の消費上昇トレンド予測が、下半期の回復を後押しするきっかけとなるか。

ウォルマートはまずこのトレンドを最大限活用するだろう。11月最終週月曜日のサイバー・マンデーをBack-to-School商戦に転用して、夏のサイバー・マンデーを演出するだろう。ターゲットもクローガーも、そしてコストコも、ウォルグリーンもCVSファーマシーも「早仕掛け」に邁進するだろう。

それが秋の三大プロモーションに引き継がれていく。

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