ウォルマートの「スキャン&ゴー」第2段階の実験を開始
ウォルマートは「スキャン&ゴー」の実験を再び開始した。
スキャン&ゴーは、ウォルマートが2012年9月に始めた、スマホアプリを使って、お客自身が商品バーコードをスキャンし、そのままセルフ・レジで支払いを行うことができるサービスシステム。お客はレジ待ち時間が短縮できるうえ、買物途中で合計金額が確認できるから、まずまずの評価だった。
今回の実験は、本社近くのロジャースのスーパーセンターなどの数店舗で行われる。
ウォルマート広報担当のジョン・フォーレスト・アレスは、「店舗のどこでテストするかは言えないが、ロジャースの店舗では、クレンリネスでフレンドリーな対応、そしてな素早いチェックアウトサービスを提供する店づくりの一環として行う」と語っている。
2012年の実験開始から2014年の初めまで、約300カ所の店舗でスキャン&ゴーが導入されてきたが、これまではお客のiphone用のアプリだけだった。今回は、専用のスキャナーを用意して、iphone以外のユーザーにも幅広く対応する。
それでも、「価格比較ができる、合計額が買物の途中でわかるなどのメリットが高く評価されてきた」(アレス氏)。またアレス氏は、スキャン&ゴーでわからないことを店舗スタッフに問い合わせても、スタッフのトレーニングができていなかったために対応が未熟だったことを問題に挙げている。
しかし、3年ほどの最初の実験によって、現在のアプリには最低価格保証のセービングス・キャッチャー、電子レシート機能がの2つのアイディアが盛り込まれ、さらに調剤のリフィル(1枚の処方箋で繰り返し薬を購買できる方式)、ギフト履歴なども加えらている。
スキャン&ゴーの最大の課題は、第一の狙いだったチェックアウトのスピード化と顧客サービスの改善。
第2段階に入った今回の実験では専用のハンド・スキャナーを用いる。店舗入口近くのセルフレジ横に用意する。バーコードの付いていない青果などは、専用の秤を使ってスキャンさせる。お客は専用のレジで支払いを済ませる。アレス氏は、顧客 によりアプリだけでなく幅広い選択肢をお客に与えることで利便性を提供したいとしている。
ウォルマートUSAのCEOグレッグ・フォーランは顧客サービスと店舗パフォーマンスの向上が喫緊の課題だとしており、今回のスキャン&ゴーの改善もその一環だ。
そしてそれはスーパーマーケット第一位で、国内小売業第二位のクローガー対策であることは間違いない。クローガーは55%の店舗がウォルマートと競合していて、なおかつ47四半期既存店増収。そのクローガーはキュー・ビジョンをはじめとするCheckout革命によって、飛躍的に顧客を待たせないシステムを実現させている。ウォルマートのスキャン&ゴーはそれへの対抗策なのである。
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