ウォルマート時給アップ第2弾! 今年度27億ドルの投資

ウォルマートが再び賃上げする。
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昨年度の初めに10億ドル(1200億円)をかけて、アソシエーツの最低賃金を時給9ドル(1080円)に引き上げ、同時に教育訓練を強化した。今年は2月20日から米国内のウォルマートUSAおよびサムズ・クラブの従業員120万人以上の給与を、さらに10ドル(1200円)に引き上げる。

具体的には、昨2015年12月31日までに入社した従業員は最低時給が10ドルに上がる。それ以降に入った従業員は時給9ドルから始まるが、半年間の研修が終わると10ドルに引き上げられる。

さらに時給フルタイマー・アソシエーツは、最高24ドル70セント(2964円)までの昇給の可能性がある。現時点で、既に最高賃金に達しているアソシエーツに対しても、一時金として年収の2%が支払われる。

賃金カーブも見直され、年間で見ると賃上げ率は2%になる。

これらの調整後、ウォルマートのフルタイム平均時給は13ドル38セント、パートタイム平均時給は10ドル58セントに引き上げられることになる。昨年までのフルタイム従業員の平均は12.96ドルだった。

ウォルマートで働く人々は、給与の支給の仕方から3段階に分かれる。第1がマネジャーと呼ばれるサラリー(月給)の層、第2が通常の社員である時給のフルタイマーの層、そして第3が時給のパートタイマー層。この第3の層が日本で言うパートタイマーと同じ位置づけだ。
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今回の賃上げは第2の時給フルタイマーに対して行われる。昨年9月に時給フルタイマーのアソシエーツへのスキルアップ・トレーンングが始められた。名称は「アップスキリング」。ウォルマートはこのフルタイマーへの投資を拡大して、「現場」の力を拡大しようとしている。もちろん人手の確保であることは間違いない。

昨年の人材投資は総額10億ドルだったが、今年は総額27億ドル(3240億円)に引き上げられて、賃上げはその一部となる。

この時給引き上げ以外にも、有給タイムオフ(有給休暇)や短期障害に対する有給休暇などの制度が拡大される。このうち有給タイムアウトは、フルタイマー社員で年間最大80時間、時給パートタイマーは48時間、理由に関係なく提供される。

短期障害による休暇は、平均週給の5割または200ドルが最大26週間まで支払われる。

日米欧、いずれも小売業は重厚長大産業と比べて給与水準が低い。ウォルマートがその先陣を切って賃上げすることで、競合他社にも影響は及ぶ。小売業の地位を向上させるとともに、翻って消費の活性化に貢献することになるだろう。

日本でもアメリカでも、今年は商人舎標語の「人をつくる。人を残す」である。

検索ワード; ウォルマート 平均賃金 フルタイマー パートタイマー

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