4月商業動態統計|商業販売額16.0%減/卸売業17.3%減・小売業14.8%減
経済産業省が、4月度の商業動態統計速報を発表した。昭和28年(1953年)から始められた商業動態統計は、工業統計と並んで、国の基幹統計である。小売業・卸売業を営む企業と事業所・店舗の事業活動に関する動向の把握を目的とするもので、毎月、調査・発表される。
その4月の商業販売額は40兆6980億円で前年同月を16.0%減と大きく下回った。商業販売額は小売業と卸売業のすべての販売額である。
卸売業の販売額は29兆7680億円で17.3%減。そのなかで大規模卸売店の販売額は8兆0575億円で14.8%のマイナスだった。
小売業の販売額は10兆9290億円と13.7%のマイナスだ。
小売業のなかでは医薬品・化粧品小売業が3.0%増、飲食料品小売業が0.6%増だった。一方、織物・衣服・身の回り品小売業が53.6%減、百貨店などの各種商品小売業が42.9%減と大幅に前年を下回った。自動車小売業が23.7%減、燃料小売業が21.7%減、機械器具小売業が12.9%減、無店舗小売業が5.6%減と、ほとんどのカテゴリーが前年を下回った。
百貨店・スーパー販売額は1兆3445億円、前年同月比18.6%のマイナス。スーパーは1兆2047億円の3.6%増(既存店は0.9%増)だったが、百貨店は1397億円の71.5%減(既存店は71.1%減)の大幅減収となった。商品別では衣料品は73.7%減と大幅に減少したが、飲食料品は5.1%増と伸長した。
コンビニエンスストアの売上高は8914億円で10.7%の減少だ。ファストフードと日配食品は12.8%減、加工食品8.5%減、非食品7.7%減。
家電大型専門店販売額は3073億円で9.0%の減少。情報家電だけが23.5%増だが、カメラ類が69.2%減、通信家電が36.3%減、生活家電16.0%減、AV家電が1.4%減。
ドラッグストア販売額は6162億円で10.4%増だ。食品26.1%増、ヘルスケア用品(衛生用品)・介護・ベビー20.4%増、家庭用品・日用消耗品・ペット用品19.8%増、調剤医薬品11.0%増、トイレタリー4.9%増だった。一方、ビューティケア(化粧品・小物)15.9%減、健康食品4.3%減、OTC医薬品0.9%減が前年を下回った。
ホームセンター販売額は2985億円で、4.0%の増収だ。DIY用具・素材9.8%増、ペット・ペット用品8.1%増、家庭用品・日用品8.0%増、電気6.7%増、園芸・エクステリア6.3%増、インテリア0.3%増。一方、オフィス・カルチャー29.2%減、カー用品・アウトドア14.2%減となった。
小売業態別の販売額を伸び率順に並べると以下の通りになる。
ドラッグストア +10.4%(6162億円)
ホームセンター +4.0%(2985億円)
スーパー +3.6%(1兆2047億円)
家電大型専門店 ▲9.0%(3073億円)
コンビニエンスストア ▲10.7%(8914億円)
百貨店 ▲71.5%(1397億円)