イオンnews|SM事業会社を6エリアで経営統合/2025年3.1兆円視野に

イオン(株)(千葉市美浜区、岡田元也社長)はグループのスーパーマーケット事業を経営統合する。地域別に6つに再編するとして、各社が10月10日付けで基本合意書を締結した。

第1は、イオン北海道(株)とマックスバリュ北海道(株)の経営統合で、年商は3100億円規模になる。
第2は、マックスバリュ東北(株)とイオンリテール(株)東北カンパニーでその規模は2010億円。
第3は、マックスバリュ東海(株)とマックスバリュ中部(株)の3890億円。
第4は、近畿圏の(株)ダイエーと(株)光洋のスーパーマーケット経営統合は3920億円。
第5が、中四国エリアの再編で、マックスバリュ西日本(株)と(株)マルナカ、(株)山陽マルナカの三社の経営統合で、その規模は5690億円になる。
第6は、イオン九州(株)、マックスバリュ九州(株)、イオンストア九州(株)の三社統合で、4430億円。

2019年3月の中四国エリアを皮切りに順次、統合を進めていく。

2017年12月12日に発表された2020年までの中期経営計画で掲げられたのは3点。
1、スーパーマーケット改革
2.GMS改革
3.デジタル改革

このなかで、とくに成長市場である食を取り巻く環境変化は激しく、スーパーマーケットの再編と改革は急務だった。

ドラッグストアやコンビニエンスストア、宅配などの異業種との競争、さらにEコマースの台頭など、食市場を巡る競争は一層激しくなっている。一方で、スーパーマーケットは労働集約型産業と言われる。

「コスト構造にメスを入れて、事業の成長エンジンとなる新しいビジネスモデルを創造していく」(藤田元宏SM事業担当取締役)
これが各社の経営統合の大きな狙いだ。

イオンのSM事業の営業収益は、2000年度の3000億円から、2017年度は3兆2000億円にまで拡大している。これは総合スーパー(GMS)事業3兆1000億円を上回る。

したがって、地域ごとに売上高5000億円、営業利益200億円の規模を有する企業体となれば、「IT・物流といったインフラ投資もしやすくなる」(藤田取締役)。また物流センターやプロセスセンターの効率的な運用にもつながる。

現時点で、6エリアの14企業・カンパニーの営業収益は2兆4000億円だが、経営統合によって2025年には営業収益3兆1000億円、営業利益1100億円を目指していく。

「何のために会社が存在するのか」。岡田元也社長が10月10日の記者会見でもらした言葉だが、総合スーパー改革もデジタル改革も、根本はそこにある。その解を求めるスピードが、一層求められているのは確かだ。

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