日生協news|消費増税直前調査/高年収・若い世帯がキャッシュレス決済に関心
日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区、本田英一代表理事会長)は、公益財団法人生協総合研究所と共同で「消費税増税 直前アンケート調査」を実施した。アンケートは、2019年9月2日~9月12日までの11日間に、日本生協連の「家計・くらしの調査」に登録している全国1700人のモニターを対象にインターネットリサーチで行われた。総回答数は940件。
「支出を増やさないため全般的に節約したい」が53.0%で最多。次いで「増税前に一部品目の買いだめをしている」が29.9%、「キャッシュレス決済の利用を始めた(始めたい)」が29.0%、「(軽減税率の対象外でもあるので)外食を控えたい」が26.6%の順となった。
2位の「一部品目の買いだめをしている」は70代の割合は少なく、「(軽減税率の対象外でもあるので)外食を控えたい」は30代の割合が最も多い。「キャッシュレス決済の利用を始めた(始めたい)」は30代の割合が最も高く、以降、年代が上がるにつれて割合は低くなる。逆に、「特に消費税増税対策は行っていない(行う予定はない)」は30代が最も少なく、以降、年代が上がるにつれて割合は多くなっている。
「買いだめをしている品目」では、日用消耗品、化粧品、酒類との回答が多く、また、「買い控えを予定している品目」名では、家電、外食、衣類、嗜好品、日用消耗品との回答が多かった。両項目ともに「とくにない」の回答も目立っている。
「クレジットカード」が88.5%で最多、次に「電子マネー(交通系ICカードなど)」「プリペイドカード」「二次元コード(〇〇payなど)」の順になった。またスマホの「二次元コード」決済は、高年収世帯や若い世代ほど関心が高い。30代子育て世帯の44.6%が「二次元コード」決済を「利用している(したい)」と回答している。
また、構成比率の高い30・40代の「夫婦と未婚の子」世帯に特化して集計したところ、30代の「夫婦と未婚の子」世帯では44.6%が「二次元コード」を利用している(今後利用したい)と回答している。
「年金制度を支えるために使ってほしい」が61.4%で最多、次に「医療・介護制度を充実させるために使ってほしい」54.6%。「子育て支援のために使ってほしい」は全体では52.6%だが、30代子育て世帯だけで見ると8割に上っている。社会保障制度への使途を期待する回答が上位にあがってきている。
また、モニターが生協組合員ということもあり、「環境保全のために使ってほしい」と「食の安全・安心を守るために使ってほしい」の回答も多い。
調査4.消費税率引き上げ(8%→10%)への賛否
「反対」と「どちらかといえば反対」の合計が55.7%、「賛成」と「どちらかといえば賛成」の合計が26.7%となり、反対が賛成を大きく上回っている。反対の理由は「収入が増えないなかでの増税により、家計の負担が増える」といった回答が比較的多く、賛成の理由は「社会保障の財源確保のためにはやむを得ない」などの回答が多かった。
調査5.軽減税率制度への賛否
軽減税率制度の導入については、「賛成」と「どちらかといえば賛成」の合計が41.3%、「反対」と「どちらかといえば反対」の合計が37.6%となり、賛否が分かれた。賛成理由は「飲食料品は生活必需品なので助かる」、反対は「わかりづらい」「ややこしい」「複雑すぎる」が多かった。
消費税増税については、「消費税率をこれ以上上げてほしくない」「社会保障のため有意義な使い方をしてほしい」「今回の消費税率の引き上げは仕方がないが、使途を明確にしてほしい。無駄遣いをしないでほしい」「軽減税率がわかりづらい」といった回答があった。