政府「新景気指数」開発にPOSデータ活用

世界で初めてビッグデータを活用したマクロ経済指標が誕生する。

 

政府が現行の景気動向指数より短いサイクルで、迅速に景気の現状把握と将来予測ができる新景気指数の開発に乗り出すことになった。

 

現在の景気動向指数(一致指数)は、内閣府が鉱工業生産指数や大口電力使用量、商業販売額、有効求人倍率など11の指数を合成して作成している。つまり、これらは生産、在庫、投資、雇用、消費、企業経営、金融、物価、サービスの各経済部門を代表する指標。

 

現状では各統計の発表日にタイムラグがあり、景気動向指数の公表まで2カ月ほど要している。だから、日々変化する消費者心理を反映したものとは言えず、消費者に最も近い小売業の実感とのズレがあった。また、生産関連指数の影響が出やすい面もあった。

 

新指数では、日々の消費の動きがわかるPOSデータの利用をはじめ、検索エンジンの「ヤフー」と連携した検索履歴の分析も活用する。

 

すでにおわかりのとおり、新指数の開発は、日本経済が「製造業中心」から「生活産業中心」へシフトし始めたとことを示すものだ。小売・流通業の日々の努力が、こうして国全体のあり方をつくり上げていくことになる。

 

内閣府は来年度にも新指数開発のための研究会を発足させる。来年度予算案の概算要求で1300万円を要求しており、POSデータなどのビッグデータ購入費用に充てられるようだ。研究会では新指数に採用するビッグデータの選択や指数の頻度、公表時期が検討される。

 

また、研究会とは別に統計学などの専門家で構成される有識者会合も開催し、景気連動性の高いデータの選別や、指数の作成手法などを検討する。日次、週次などの作成頻度も話し合われる。

 

実現すれば世界で初めてビッグデータを活用して作成される景気指数となる。景気の現状把握のみならず、将来の予測も迅速にできると期待されている。

 

ビッグデータの活用は、小売業界にとっても大きなチャンスとなるに違いない。

 

 

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