首都圏SM物流研究会news|ライフ・ヤオコー・サミット・マルエツ4社で発足

首都圏に店舗を展開するサミット(株)、マルエツ(株)、(株)ヤオコー、(株)ライフコーポレーションのスーパーマーケット(SM)4社が3月16日(木)、物流効率化を研究する「首都圏SM物流研究会」を発足させた。

4社は日本スーパーマーケット協会の首都圏正副会長会社だ。2022年8月から「4社物流協議会」を立上げ、物流課題の解決に向けた議論を進めてきた。また4社は首都圏に店舗と物流センター網をもち、それぞれの立地も近接している。そこで物流分野を各企業間の「競争領域」ではなく「協力領域」と捉えて、「2024年問題」をはじめとする物流危機の回避、社会インフラとしての責務を継続して果たすために協力し合って、問題解決に取り組んでいく。

16日には、4社の社長が帝国ホテルに揃い、記者会見を行った。研究会発足について説明し、かつ「持続可能な食品物流構築に向けた取り組み宣言」を発した。


左からサミット服部哲也社長、マルエツ本間正治社長、ヤオコー川野澄人社長、ライフコーポレーション岩崎高治社長。

宣言内容は4項目。

1. 加工食品における定番商品の発注時間の見直し
加工食品における定番商品の店舗発注時間を前倒しすることで、取引先の夜間作業の削減と、調整作業時間の確保を実現する。具体的には、メーカー・卸売業間のリードタイムを 1日延長し、小売業の定番発注時間を午前中に前倒しすることで対応する。

2. 特売品・新商品における発注・納品リードタイムの確保
特売品・新商品の計画発注化を進め、確定した発注データをもとに商品や車両の手配ができる環境を整えることで、緊急手配等の作業負担を軽減し、積載効率および実車率を向上させる。

「フードサプライチェーン・サスティナビリティプロジェクト(FSP)」に参画している一般社団法人日本加工食品卸協会加盟企業のヒアリングでは、「6営業日前」に計画的に発注する必要があることを確認したことで、4社は各社の専用センターにおいて、6営業日以上の発注・納品リードタイムを確保することに合意。

3.納品期限の緩和(1/2 ルールの採用)
加工食品における180日以上の賞味期間の商品に対し、「1/2 ルール」を採用することで、商品管理業務の負担を軽減し、食品物流の効率化をはかる。

ヤオコーとライフコーポレーションは先行して、1/2 ルールを採用している。マルエツは今年3 月、サミットは4月から1/2 ルールを順次採用する計画だ。

4.流通 BMS による業務効率化
卸売業と小売業間の受発注方式に、標準化された流通 BMS を導入することで、高速通信による作業時間確保、伝票レス・検品レスによる業務効率化を進める。

首都圏で競合する4社が、将来に向けた食料品の安定供給のためにサプライチェーンの再構築に取り組む。画期的な第1歩だ。

第1回研究会は4月12日に開催される予定だ。

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