ターゲットnews|警官による黒人殺害抗議デモで店舗閉鎖も住民が店を守る

米国のディスカウントストア第2位のターゲット(ミネソタ州ミネアポリス、ブライアン・コーネルCEO)の本社のあるミネアポリスで5月25日、警官によるジョージ・フロイド氏殺害事件が起きた。

この事件に対して、黒人の人権を守る運動として、全米にデモが広がっている。ミネアポリスのセントポール地域でのデモ活動は当初、平穏なものだったが、警察が非暴力の抗議者に催涙ガス、ゴム弾の発射を行ったため、デモ隊は暴徒化した。夜間にかけて略奪や暴動が見られるようになった。

それが全米の都市に広がり、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、アトランタ、フィラデルフィア、ワシントンDC、シアトル、ポートランド、マイアミなど多くの大都市で夜間外出禁止令が出されている。

抗議活動がエスカレートするなか、多くの小売業者が略奪による被害を受けており、店舗を閉鎖している企業が少なくない。


〈略奪され破壊されたターゲットの店舗〉

ターゲットも暴動によってかなりの被害を受けたため、ミネアポリスの24店舗をはじめ、多くの店舗を閉鎖することを決定した。

一方、善良な市民による地域を守る動きもあり、ミネアポリスではボランティアが集まって、荒らされたターゲットの店舗の片づけを行ったとフォックス9が報じている。また、南フィラデルフィアでは、ターゲットの店舗入口に地域の人々が集まり、略奪ができないようにガードしているとCBSフィラデルフィアが報じている。

ターゲットは奨学金、ボランティア活動、スポンサー活動、環境対策に力を入れている小売業として著名である。1946年から地域に税引前利益5%を還元する寄付活動が続けられている。寄付金は全店舗で1週間当たり300万ドル(約3億円)に上る。さらにターゲットのクレジットカードで購入した金額の1%を指定学校へ寄付できる顧客向けプログラムもある。

ターゲットのその活動は地域コミュニティや地域住民、顧客がよく了解している。だからこそ住民たちは、荒らされた店舗の片づけを手伝ったり、略奪できないようにガードしたりする。

アメリカチェーンストアの本当の力がここに表れている。

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