関西スーパーnews|上半期609億円・経常利益22%増/既存店2.4%アップ
(株)関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市、福谷耕治社長)の2018年3月期の第2四半期決算が発表された。
4月から9月までの営業収益は609億1500万円(前年同期比2.5%増)、営業利益は6億9700万円(55.3%増)、経常利益は8億7700万円(22.0%増)、四半期純利益は4億9700万円(17.5%増)の増収増益だった。既存店も2.4%の増収と好調だった。ただし売上対比の営業利益率は1.14%、経常利益率は1.44%とまだまだ。しかし、増収増益は組織全体に元気を与える。
2017年度は3カ年中期経営計画の最終年度に当たる。「営業方針」「営業力強化行動施策」「教育方針」「経営管理方針」「新規事業戦略」「成長戦略」の基本方針と戦略を掲げ「お客様目線の店づくり」に取り組んだ。
「営業方針」では、「自慢の品」を中心とした価値訴求型商品の開発・育成に注力した。店内で販売している生鮮素材を調理した「フィッシュデリ」や「ミートデリ」など生鮮の惣菜化を進め、健康に配慮した魅力ある価値訴求型商品のラインナップを増やしている。
また6月から店頭への設置を開始した宅配便ロッカーは、9月末現在で12店舗に導入されている。早期に30店舗程度での設置を予定する。
また人材の定着化と長時間労働抑止を目的に健康経営に取り組み、「ノー残業デー」や「禁煙デー」に加えて、有給休暇の取得促進や勤務間インターバル制度の導入推進など、「従業員目線の職場づくり」にも取り組んでいる。これは創業の故北野祐次名誉会長譲りの関西スーパーの伝統である。
「営業力強化行動施策」では、集荷能力向上プロジェクトや現場力向上定着化プロジェクトなど15のプロジェクトチームを立ち上げた。
「教育方針」では積極的に自ら学ぶ意識のある社員・パート社員を対象とした国内外研修を実施。女性リーダー研修会の開催やプロジェクトチームへの参画など女性が活躍できる職場環境づくりに注力している
「経営管理方針」では、新たな機器を導入することで店舗の作業種類数削減を図り、また作業そのものをなくすためのシステム投入などを進める。これも関西スーパーのDNAといえる。
「新規事業戦略」では、炊飯工場と青果プロセスセンターの設立に取り組む。また商品の配送・店舗の安全管理を主な業務とする100%子会社である(株)関西スーパー物流を、10月1日付けで(株)KSP(Kansai Super Premium)へ商号変更した。さらに移動スーパー「とくし丸」は、8月に兵庫県神戸市で2号車を、9月には大阪府守口市で3号車を稼働させた。
「成長戦略」では、5月に八多店(神戸市北区)、7月に河内磐船店(大阪府交野市)を当社モデル店舗である「中央店」型店舗へ改装している。また前期に資本業務提携したエイチ・ツー・オーリテイリング(株)の「阪急の味」および「阪急ベーカリー」商品の販売を開始している。
増収増益の主な要因は、「中央店」型店舗へのマーチャンダイジングの転換が進み、それが顧客に支持されていることだろう。
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