ウォルマートnews|「新しい小売業」実現のための実験店4店開業してテスト中
ウォルマート(アーカンソー州ベントンビル、ダグ・マクミロンCEO)は、新型コロナウイルスの流行によって大きく変わった「顧客の求める新しい小売業」の在り方に応えるため、新たな実験店をスタートした。実験の目的は「買物をする場所」と「オンライン・フルフィルメントセンター」の両方の機能を兼ね備える店舗をつくることである。
すでに2店舗が開店しており、今後もう2店舗の実験店がオープンする予定である。ただし、その立地については明らかにされていない。
新技術や新しいデジタルツールはこの4店にローテーションで導入される。これらの新技術やデジタルツールを用いて従業員がより適切に、より簡単に顧客サービスを提供できるよう、実験していく。また、学習速度を上げるために製品チームとテクノロジーチームを店舗に投入し、プロトタイプの作成、テスト、反復をリアルタイムで行う。このテストを店舗で研究することで、よりスピーディに機能するものを拡縮し、機能しないものを廃棄することが可能となる。
実験しているテーマは以下の4つがある。
1.豊富な品揃え
現在、店舗在庫がすべてオンラインで見つかるわけではない。そこで、実験店では在庫管理が難しいカテゴリーを特定しつつ、店内のすべての対象アイテムをオンラインストアまたは店内の顧客が購入できるようにする。テストストア1号店ではまず、店内のほとんどのアパレル商品をオンラインサイトに載せることから始めている。
2.在庫補充のスピードアップ
バックルームから売場に商品を運ぶのにかかる時間を短縮するアプリを開発した。補充が必要な商品を個別にスキャンするのではなく、手持ちの端末を商品にかざすだけで、補充する必要がある商品が表示される。アプリのAR(拡張現実)技術が活用されている。このアプリによって、より早い陳列が可能となる。
3.商品ピックアップの効率化
オンライン注文された商品が店内のどこにあるのかをわかりやすくするために、商品の価格サイネージ(価格POP)に番号をつけて、それを手持ちの端末と連携させた。この単純な変更によって、ピックアップ担当の従業員が商品を探してピックアップする時間が短縮されている。実際この実験を開始してから、アパレルなど見つけるのが難しいカテゴリーで、最初のアクションで注文アイテムを見つけることができた割合が20%増加した。この結果、注文商品がより早く、顧客のもとに届くことになった。
4.新しいレジ体験
実験店では、今年初めに一部店舗で導入されている非接触型チェックアウトを設置し、新しいレジ体験のテストを継続している。