米国小売業の実店舗ブラックフライデー客足ダウン、Eコマースのサイバーマンデー伸長
アメリカ最大の商戦、ブラックフライデーとサイバーマンデーを含む感謝祭週末の結果が出てきた。
1つは全米小売業協会(NRF)の「Retail’s big weekend」と題した報告。
NRFでは消費者調査を実施した。
その結果、わかった事実は、やや衝撃的だ。
まず感謝祭当日から日曜までに実店舗で買物をした人が、昨年の58.7%から55.1%と3.6ポイントダウンした。
客数は昨年の1億1100万人から5.2ポイント減少し、1億3370万人。
4日間の延べ客数も前年の2億4860万人から2億3330万人と6.2%減少。
これに対するNRFの社長兼最高経営責任者(CEO)マシュー・シェイの分析。
1つは、アメリカの景気が回復し、特別な低価格で商品を購入しようとする消費者が増えたこと。
2つ目に、小売業がプロモーションを早めに仕掛けた結果、消費が分散したこと。
3つ目は、24時間オンラインショップの影響が出たこと。
マシューCEOは「こうした結果を見ると、ホリデー・ショッピングは、消費者の購買行動、及び小売業の対応の両方で、革新的な進化が始まっている。この傾向は今後も続くと予測される」と述べている。
そのオンライン販売の動向はComScore Inc社の調査によれば、サイバーマンデー1日で、
20億4000万ドル、日本円にして2040億円。前年比18%増。
感謝祭当日は32%増加し、初めて10億ドルを上回った。そしてブラック・フライデーは26%増の15.1億ドル。
オンライン販売は変わらず好調ながら、年々、その伸び率は鈍化傾向にある。
これは、先程のNRFの分析にもあるように、小売業自身がオンラインサイトを強化したためだ。わざわざアマゾンをはじめとするオンライン専門サイトで、感謝祭セールにあわせて購入しなくてもよい環境ができてきた。
実店舗小売業の反撃が効いてきたというわけだ。
その実店舗小売業のトップで、早仕掛けの企業の代表格がウォルマート。
商人舎Dailyニュースでも報じたが、ウォルマートは先んじたプロモーションを展開し、
かつオンラインサイトでもサイバーマンデーを含んだ長期販促を仕掛けている。
その結果、早々に感謝祭セールの勝利を宣言。
さらに、12月2日は、サイバーマンデーにおいて、ウォルマート史上、最大の受注があったことを発表。
感謝祭週末からサイバーマンデーまでの5日間に、Walmart.comは15億ページが閲覧された。
オンライン注文商品を当日に、近くのウォルマート店舗でピックアップできる商品注文が70%増加した。さらにアクセスした端末の70%をスマートフォンとタブレットが占めているとも報告。
Walmart.comの社長兼最高経営責任者(CEO)フェルナンド・マデイラ氏は、「サイバーマンデーで私たちはフルに働いた。さらに『サイバーウィーク』として12月5日金曜まで続けるプロモーションで、タブレット 、 ハイビジョンテレビ 、 おもちゃなどをSpecial価格で提供する」としている。
ウォルマートの売れ筋商品は以下の通り。
- アップル・iPadミニ16ギガバイト
- PS4(ビヨンドゴッサム、リトルビッグ3、レゴバットマン3バンドル商品)
- ニンテンドー3DS XL (Newスーパーマリオブラザーズ2限定版)
- Xbox
- LG 49型LED HDTV
- スカイウォーカートランポリン12
- LEGOジャイアントクリエイティブタワー
ウォルマートのオムニチャネル戦略、すなわち対Amazon攻略は、実を結びつつある。実店舗のブラックマンデーは客足がダウンし、Eコマースのサイバーマンデーは伸長しているが、ウォルマートは両面作戦で、成果を最大化したことになる。
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