スーパーマーケットnews|3団体が過熱報道自粛を要請
生命維持や日常生活に不可欠な業務に携わる人々を「エッセンシャルワーカー」と呼ぶ。医療関係者、食品供給者、薬局、郵便局、公共交通機関で働く人々だ。新型コロナウイルス感染が拡大するなか、“食生活を守るライフライン”としてスーパーマーケットもまたエッセンシャルワーカーとして営業を継続している。
しかし、緊急事態宣言が各自治体で発せられるようになり、大都市圏を中心に感染者数が増えるにつれ、実際の店舗では、不安に駆られた顧客からの過剰な要求に追われ、現場の従業員は疲弊している。
一般社団法人日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、一般社団法人全国スーパーマーケット協会(NSAJ) のスーパーマーケット3団体がこうした状況を危惧し、報道機関に対して過熱報道を控え、安全・安心な継続営業ができるよう、3つの協力を求めた。以下3つの項目を原文のまま掲載する。
1.過熱報道をお控え頂き、お客様に冷静さ呼び掛けて頂きたい!
客観的事実の薄い情報や不安感を必要以上に煽る情報が溢れ、お客様が過度に神経質になっており、お店での感染拡大対応事項や要望が膨大になっています。対応人員にも限りがある中、営業継続に支障をきたしかねない状況です。冷静な買物行動を呼びかけて頂きますようお願い致します。
2.お店の営業継続の大切さを客様に理解頂きたい!
お客様の“コロナ疲れ”やストレス増加により、連日の買い占め等による品薄や欠品、混雑などに、心無いお言葉を頂くことも増加傾向にあります。SM(スーパーマーケット)では、食料品の安定供給という重要な役割を果たすために、可能な限りの努力を続けています。しかしながら急激な需要増に対しては、商品供給に一時的に支障が出ることもあります。そのような状況でも様々な努力をし、生活に必要な食料品等を販売継続している現場へのお客様の理解を頂きたい。
3.皆様にとってのお店の安心・安全を確保したい!
日々多くのお客様にご来店頂くことは、社会におけるSMの役割からしても大変ありがたいことですが、そこにはお店で販売を継続するため働く多くの従業員がいます。ご来店頂く際にはマスクを着用して欲しい(政府支給による布マスクの有効活用)、お客様にも咳エチケットを徹底して欲しい、レジにお並びいただく際に一定の距離を取って欲しい等、お店がクラスター発生場所にならないよう、お店もお客様も共に安心・安全な買い物空間を共有できることが最も大切と考えています。
【結城義晴の述懐】スーパーマーケット3団体の悲痛な「現場からの声」が発せられた。食料品など生活用品の継続的な供給の使命とそれを成し遂げる現場のエッセンシャルワーカーおよびカスタマーの安全を確保する。それを報道するマスメディア、特にテレビの過熱報道は、これからも続くだろう長い新型コロナウイルスとの闘いのなかで、全体最適を目指す姿勢が貫かれなければならない。その意味でマスメディアの想像力が問われている。