インテージnews｜｢コロナ禍でのクリスマス｣についての意識・行動調査

(株)インテージ(東京都千代田区、檜垣歩社長)は、クリスマスシーズンを前に「コロナ禍で過ごすクリスマス」について調査した。全5問に対して、全国の15～79歳の男女2101人から回答を得た。

①クリスマスの買物やイベントの予定はあるか？
現在予定しているクリスマスの贈り物や買物、イベント(食事会・パーティや旅行を含む)について予定があるかを尋ねた。

｢クリスマスになんらかの予定がある人」は全体では47%。男女別で見ると女性は53%が「予定がある」と回答しており、男性よりも12ポイント高くなっている。女性の方がクリスマスにプレゼントをはじめとした買物やパーティなどのイベントなどを企画して楽しみたいと考えている人が多いようだ。

クリスマスの予定について内訳を見ると、｢クリスマスプレゼントの購入(自分用を含む)(30%)」｢自宅でのクリスマスパーティ(25%)」が多くなっている。次いで、自宅を離れての「クリスマスイルミネーションを見に行く」｢レストランなど飲食店で食事をしたりパーティ」｢友人・知人宅のクリスマスパーティに参加」といったイベント系が続く。

さらに2019年、2020年、2021年と3年間の変化を見ると、新型コロナウイルスの第3波感染拡大の渦中にあった昨年のクリスマスに対してすべての項目が増加しており、今年のクリスマスは去年よりも楽しみたいという期待が感じられる。「自宅でのクリスマスパーティ（25%）」がコロナ前の2019年を上回っている一方で、｢クリスマスイルミネーションを見に行く(5%)」や「レストランなど飲食店で食事をしたりパーティ(4%)」といった外出や移動を伴うイベントについては昨年よりも増加したものの、2019年より大きく減少していたりと生活者の感染不安を反映して安心・安全を念頭に置いた行動になっているようだ。

②クリスマスを機会としたイベントにどのくらいの支出をするか？
プレゼントや食事、旅行といったクリスマスを機会としたイベントにどのくらいの支出をするかを尋ねた。

平均金額は2万1331円と去年から4700円ほどアップしている。自宅でのパーティやプレゼントを中心にした安心・安全なクリスマスを念頭におきながらも、昨年よりも財布の紐はかなり緩みそうだ。

今回の調査結果と15～79歳の推定人口から「クリスマス関連市場規模」を試算したところ、2019年は2兆1456億円、2020年は1兆6220億円(前年比76%)、2021年の見込みは2兆816億円(前年比128%)となる。2019年と比較すると97%とわずかに下回ったが、生活者の財布の予算は2019年度並みに戻りつつあるようだ。

③誰にクリスマスのプレゼントを贈るか？

｢子ども」との回答が半数の50%を占めた。次いで「夫・妻」が37%。また、ご褒美消費とも呼ばれる「自分用」のクリスマスプレゼントも1割ほど確認できる。年代別に見ると、30～40代では「子ども｣「夫・妻」という家庭内でのプレゼントが多くを占める。また、10～20代に目を移すと「恋人」が最も多くなる。ハロウィーンが終わり、クリスマスのシーズンになると「彼女(彼氏)へのいち推しプレゼント！」といった情報がネットや雑誌に溢れはじめる。そして、｢自分用」は特に10代において目立って多かった。

④クリスマスに一番お金をかけるものは何か？

｢子ども向けのプレゼント」は24%と最も高く、次いで「自宅でのクリスマスパーティ(21%)」が続く。年代別に見ると、30～40代は「子どものプレゼント｣、あるいは「夫・妻」が高く、10～20代は「恋人へのプレゼント」が高くなっていた。また、10代においては男女ともに「自分用のプレゼント」が他の世代と比較して高くなっているのも特徴的な傾向だ。

｢子ども向けのプレゼントに一番お金をかける」と答えた人に、プレゼントに予定しているものを尋ねたところ、｢ゲーム」が35%と最も高く、ゲームの購入予算の平均金額を見ると「1万2085円」となった。また、｢ゲーム」に次いで「その他」が高くなっており、｢その他」の内訳を詳しく見てみるとゲーム以外の「おもちゃ」との回答が大半を占めていた。また、おもちゃ以外には「自転車、三輪車」｢現金・電子マネー」といったものもあった。

⑤今年のクリスマスに関する考えは？
今年のクリスマスの過ごし方に関する考えや行動について尋ねた。

｢家族や恋人など少人数で会食程度に留めたい」が3割弱を占めた。また、｢少人数でも会食などはしない(10%)」｢繁華街など人の多い場所には近づかない(21%)」といった感染への警戒心からの行動抑制も浮き彫りになった。さらに、先行きの不安から「あまりお金をかけずに過ごしたい」は27%に上り、｢それなりにお金を使って楽しみたい」の11%を大きく上回る回答となった。

今回のアンケート結果によって、贈り物や食事会・パーティ、旅行といったクリスマス関連に支出したいと考えている金額は、コロナ前(2019年)の水準へ戻りつつあることが浮かんできた。しかしながら、新規感染者数が減少して明確な再拡大は確認されていないものの、これまでの度重なる再拡大や「ブレークスルー感染｣、さらには国内においても「オミクロン株」が確認されている現状を鑑みて、2021年のクリスマスも手放しで楽しめる状況には戻っていない生活者の心理状況が浮き彫りになった。

■インテージ調査の概要
調査地域／全国
対象者条件／25～79 歳の男女
標本抽出方法／同社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ／n=2101
調査実施時期／2021年12月1日(水)～12月2日(木)